2006 Fiscal Year Annual Research Report
鮮更新世の初期人類をも含む哺乳動物相の進化古環学的研究
Project/Area Number |
17207017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諏訪 元 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (50206596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (00124595)
河野 礼子 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究官 (30356266)
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Keywords | 初期人類 / 哺乳動物 / 古環境 / 咀嚼器 / 歯牙咬耗 |
Research Abstract |
本研究では、アフリカの鮮更新世における初期人類をも含む哺乳動物相について、古環境の変遷にともなう種分化と哺乳動物コミュニティ構造の変遷と進化様式について、実証的に論じることを目的としている。特にエチオピア産の化石資料を主要な研究対象とし、初期人類の出現期からアウストラロピテクスまでに見られる大局的な形態進化に照らし合わせながら、エチオピクス猿人からボイセイ猿人の系統における特殊化について論じ、また、コンソ遺跡群の更新世前期の哺乳動物群を主要対象群とし、約170万年前ごろの東アフリカにおこったとされている気候古環境変動に伴うった哺乳動物相の進化様式を調査する。本年度の調査・研究は、以下の通り実施した。昨年度からひきつづき、コンソ遺跡群の人類化石の形態評価を進めた。特に、ボイセイ猿人の歯牙形態情報の充実に努めると同時にコンソ産のエレクトス標本の記載報告を完了した。またアルディピテクスとアウストラロピテクス各種の比較を進め、頑丈型猿人の位置づけを従来以上に検討した。特に、エナメル質厚さにおいては、アウストラロピテクス内で段階的に機能適応が起こったことが示唆された。また、現生のシカ標本を用いたマイクロウェアの方法論的研究を進め、咀嚼機能に基づいたブラウザーとグレーザーの識別法を確立した。コンソ遺跡群の哺乳動物化石については、ウシ科標本などについて、現生標本におけるマイクロウェアとミソウェアの方法論が応用可能であることを確認した。
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Research Products
(5 results)