2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17207019
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤原 勝夫 Kanazawa University, 医学系研究科, 教授 (60190089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 新治 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30142756)
小澤 治夫 東海大学, 体育学部, 教授 (60360963)
森 昭雄 日本大学, 文理学部, 教授 (30060148)
国田 賢治 大阪市立大学, 都市健康マポーツ研究センター, 准教授 (20316003)
外山 寛 金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (10172206)
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Keywords | 周期性運動 / 脳賦活 / 注意 / 随意運動 / 眼球運動反応時間 / 大脳皮質局所血流量 / 前頭前野 |
Research Abstract |
(1)健康な若年成人(26名)と高齢者(96名)を対象に、プロサッケードおよびアンチサッケード課題を課し、それらパフォーマンスの様相と近赤外線分光法による前頭前野の脳血流量との関係を検討し、高齢者の前頭前野の機能状態を評価する方法を確立した。 (2)若年成人(10名)と高齢者(10名)を対象に頚部前屈姿勢でのアンチサッケードの訓練を1日20分、10-14日間実施した。その訓練の前後で次のような変化が認められた。若年者では、アンチサッケード反応時間が約30ms短縮し、その誤反応率が13%から10%に若干減少し、前頭前野(F4)の脳血流量が0.2mmol×mm減少し、Czのサッケード前陰性脳電位が0から3μVに増加した。高齢者では、アンチサッケード反応時間が約70ms短縮し、その誤反応率が35%から15%に減少し、前頭前野(F4)の脳血流量が0.04mmol×mm増加し、Czのサッケード前陰性脳電位が0から5μVに増加した。この結果は、アンチサッケード機能が、高齢者においても訓練によって向上すること、それには前頭前野の活性化が関係していることを示唆していると考えられた。この活性化は頚部前屈姿勢で顕著であることを確認した。 (3)認知症患者4名(平均年齢66.8歳)を対象に、タッチパネルを用いた視覚性時間・空間性認知機能の訓練を、週1回、1ケ月間課し、その前後でアンチサッケードのパフォーマンスと脳活動の比較を行った。その訓練によって、アンチサッケード反応時間が約20ms短縮し、その誤反応率が70%から52%に減少し、前頭前野(F4)の脳血流量が0.04mmol×mm減少するという結果を得た。誤反応率の減少の程度は、症状の軽い患者ほど顕著であった。この結果は、認知症患者においても症状が軽い場合には、訓練によって前頭前野の機能をある程度改善できることを示唆していると考えられた。
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Research Products
(11 results)