2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルスにおける分子擬態の解明とそれを利用したポティウイルスベクター群の開発
Project/Area Number |
17208004
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
夏秋 知英 Utsunomiya University, 農学部, 教授 (10134264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 洋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80322519)
西川 尚志 宇都宮大学, 遺伝子実験施設, 助教 (60361614)
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Keywords | ポティウイルス / 分子擬態 / ズッキーニ黄斑モザイクウイルス / カブモザイクウイルス / VPg / eIF(iso)4E / ウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究では、植物ウイルスのうち(+)ssRNAをゲノムとするポティウイルスを用い、ウイルスの根本的な性状である「どのように宿主細胞を欺いて優先的にウイルスの遺伝情報を翻訳し、ウイルス核酸を増殖させ、抵抗性(ジーンサイレンシング)を回避し、全身感染するのか」という点について、ウイルスタンパク質を分子擬態という視点から捉え直してその機能を解明することを第一の目的としている。次に、ウイルスタンパク質の分子擬態を人為的に制御して、宿主範囲が狭く、宿主に病徴を引き起こさず、媒介昆虫で媒介されず、複数の外来遺伝子が挿入可能、という性状を持つより有用なウイルスベクターを開発することを第二の目的としている。本年度も各種ポティウイルスにおいて各種タンパク質を解析した。そのうち、カブモザイクウイルス(TuMV)のVPgタンパク質では、植物タンパク質のeIF(iso)4EとVPgが結合していることに加えてVPgが宿主細胞のmRNAからの翻訳を阻害していることを明らかにした。核膜局在性を有するP1タンパク質では、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)をもとにして、P1遺伝子を欠損させたり、他のウイルスのP1遺伝子と置換したキメラウイルスを作成して接種したところ、P1遺伝子はポティウイルスの感染に必須でないこと、P1遺伝子を置換しても宿主範囲が変わらないことを見出した。またZYMVでは、ジーンサイレンシングサプレッサー活性を有するHC-Proタンパク質に対する抗体の作製に成功した。
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