2008 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫幼若ホルモン(JH)の特異的阻害剤の開発とそれらを利用したJH作用機構の解明
Project/Area Number |
17208007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 栄一 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (00108672)
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Keywords | 幼若ホルモン / 抗幼若ホルモン / 早熟変態 / クロメン誘導体 / インドール誘導体 / ベンゾジオキサン誘導体 / インドリン誘導体 |
Research Abstract |
本研究は、多様な生理作用を示す幼若ホルモン(JH)の作用機構の解明に不可欠な分子プローブとなり、また、新規昆虫成育制御剤として有望なJHの特異的阻害剤の開発を目的としている。当初見いだしたethyl4-(2-benzylhexyloxy)benzoate(KF-13)は、抗JH活性(早熟変態誘導活性)とともに高いJH様活性を有しており、低薬量で高い抗JH活性を示すが、高薬量では活性は低下する。そこで、KF-13のベンゼン環上の置換基と活性の関係を検討した結果、オルト位に塩素、フッ素、メチル基を導入した場合、KF-13より抗JH活性が上昇することを見いだした。さらにKF-13の構造を一部固定化した含窒素複素環化合物の合成探索を行い、新規抗JH活性物質として、ethyl4-[(1-benzylindo1-2-yl)methoxy]benzoate(1)とethyl4-[(S)-1-butylindolir2-yl)methoxy]benzoate(2)を創製した。化合物(1)はKF-13とは異なり薬量依存的な抗JH活性を示したが、KF-13と同様、JH活性を有していた。化合物(2)にはJH活性は認められなかったが、抗JH活性はKF-13や(1)より低かった。 新たな観点からの分子設計により、クロメン骨格を有するethyl4-[(6-methoxy-2,2-dimethyl-2H-chromen-7-yl)methoxy]benzoateに抗JH活性とJH活性が見いだされたことから、含酸素複素環化合物の合成探索を行った。その結果、ethyl4-[(6-alkyloxy-1,4-benzodioxin-7-yl)methoxy]benzoate類に高い抗JH活性が認められ、ベンゾジオキサン環は活性発現に重要であった。以上、様々な骨格を有する新規抗JH活性物質を創製した。
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Research Products
(12 results)