2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母Ca^<2+>シグナルの機能に関する基礎および応用研究
Project/Area Number |
17208009
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮川 都吉 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10116676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 重利 富山大学, 和漢薬研究所, 教授 (90115163)
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Keywords | Saccharomyces cerevisiae / Ca^<2+>シグナル伝達 / カルシニューリン / 細胞周期制御 / S-アデノシルメチオニン / 浸透圧応答経路 / 細胞周期チェックポイント / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
I.Ca^<2+>シグナルによる酵母の細胞周期制御機構の解析及びその生理的意義(基礎的研究) Ca^<2+>シグナルによる酵母の細胞周期制御の詳細及び生理的意義を理解するため、この経路に欠陥を有する変異株(scz変異と命名)を順次解析した。さらに、この機構に基づいて開発した生理活性物質スクリーニング系を利用して見出した薬剤2種の作用機構を明らかにした。主な成果は以下の通り。 (1)scz6株の解析からプロテインキナーゼC(Pkc1)の変異によりCa2+感受性の表現型」が抑圧されることが明らかになった。G1サイクリン(Cln2など)はCキナーゼによる活性化、A-キナーゼによる阻害を通してG1期細胞周期エンジンおよび細胞の極性化を制御していることを明らかにした。 (2)scz13株の解析から、ER内腔におけるタンパク質N-グリコシレーションによって、Ca^<2+>感受性の表現型が抑圧されることが明らかになった。蛋白質のN-グリコシレーションは、Swe1およびCln2の維持に必要と考えられる。 II.Ca^<2+>による細胞周期制御を阻害する活性物質2種の作用機構解析(応用的研究) (1)ラディシコール作用機構:ラディシコールはシャペロンHSP90阻害を通して、Swe1を不安定化し、Ca^<2+>による細胞周期阻害を解除することを明らかにした。 (2)ナフトール化合物NKH-7の作用機構:NKH-7の分子標的はα-チューブリンであることを明らかにし、変異点の同定および形体的観察結果から、α-チューブリンの阻害を通し、チューブリンを不安定化すると推定した。
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