2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17208010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
及川 英秋 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (00185175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大栗 博毅 大学院理学研究院, 助教授 (80311546)
常盤野 哲生 大学院理学研究院, 助手 (50312343)
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Keywords | ポリエーテル / 生合成 / ポリケタイド / 環化酵素 / 酸化酵素 |
Research Abstract |
昨年度ラサロシド生合成遺伝子クラスターの候補を取得し、その部分解析を報告した。18年度は解析が終了した36kbの上流および下流部分でプローブを作製し、ラサロシド生産菌ゲノムライブラリーを用いたコロニーハイブリダイゼーションにより目的とする2本のコスミドを得た。これをショットガンシーケンスすることにより、全長82kbのクラスターの解析に成功した。このクラスターにはポリケタイド合成酵素(PKS)遺伝子が存在し、予想生成物であるプレラサロシドと一致するモジュール数、ドメイン数が存在し、3種類の異なる伸長単位に対応するアシル基転移酵素ドメインの選択性も完全に一致した。PKSの下流にはポリエーテル環を形成に必要なエポキシ化酵素および加水分解酵素遺伝子が見出され、上流側では基質であるエチルマロニルCoAのほか調節遺伝子、耐性遺伝子などラサロシド生合成に必要な遺伝子が揃っていることが判明した。これにより詳細なエーテル環構築機構が直接的に検討可能となった。 我々は既にエーテル環化前駆体の合成に成功し、その重水素標識仮想前駆体の取り込み実験から、ジエンカルボン酸が2段階のエポキシ化が進行した後、一挙にエーテル環が構築されると推定した。この仮説をさらに確実なものにするため、2カ所に重水素を導入した仮想前駆体の取り込み実験を行った。その結果、二重結合に導入した重水素のシグナルが予想位置と異なる場所に観測され、先の実験事実に反する結果が得られた。これは前駆体の分解物がラサロシドと同じ位置にシグナルを与えたことに起因すると推定した。酵素レベルでこの変換反応を詳細に検討することが必要となった。
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Research Products
(6 results)