2007 Fiscal Year Annual Research Report
食品劣化及び生体老化における脂質グリケーション反応の分子基盤解析
Project/Area Number |
17208011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮澤 陽夫 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (20157639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40206280)
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Keywords | 脂質グリケーション / 高血糖障害 / アマドリ型糖化リン脂質 / 食品の品質・栄養価・機能性 / 精密化学構造解析 / 脂質過酸化 / 血管新生誘発 / 脂質グリケーション阻害成分 |
Research Abstract |
本年度は下記の研究を行った。 (1)脂質グリケーション産物による食品の品質・栄養価・機能性の変化 脂質グリケーション産物による食品の劣化防止を目的とし、アミノリン脂質糖化率を簡便に測定する方法を開発・応用し、脂質グリケーション阻害物質のスクリーニングを行った。この結果、従来知られていたピリドキサールリン酸以外に、米糠抽出物にも阻害活性が存在することを明らかにした。 (2)高血糖における生体膜脂質グリケーション産物の検出定量と精密構造解析 STZ誘導糖尿病モデルラットにおいて、赤血球、血漿、腎臓、膵臓などの臓器にAmadori-PEが蓄積することを証明した。さらにII型糖尿病患者と健常人との血漿Amadori-PE含量の比較を行い、II型糖尿病患者のAmadori-PE含量が有意に高いことを証明した。さらにAmadori-PEの分子種をLC-MS/MSで詳細に分析し、2位にアラキドン酸およびドコサヘキサエン酸をもつAmadori-PEで、II型糖尿病患者と健常人との差が大きいことを示した。 (3)生体内グリケーションの新指標としてのアマドリ型糖化脂質分析の有効性の検証と簡易免疫定量法の開発 Amadori-PEの高血糖障害指標(糖尿病指標)としての臨床活用に向けて、Amadori-PEの免疫定量法の開発のため、昨年度作成した抗Amadori-PE血清の血清価の評価を行い、有用と考えられる数種のモノクローナル抗体を得た。 (4)脂質グリケーション産物による血管新生誘発などの細胞障害性とその作用の分子機構の解明 脂質グリケーション産物による血管新生促進メカニズムを明かにするため、Amadori-PEの内皮細胞増殖への関与について遺伝子レベル解析を進めている。 (5)糖尿病予防に向けた脂質グリケーションを抑制できる食品成分の同定と効能評価 医薬化合物約1,200種からアミノリン脂質の糖化阻害活性の強い成分を選抜し抗生物質であるDoxycyclineに高い脂質糖化阻害活性があることを確認した。
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Research Products
(20 results)