2006 Fiscal Year Annual Research Report
吸収源CDMで要求される「追加性」要件達成のためのアカシア林業の育種技術的対応
Project/Area Number |
17208014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 進 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70226314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隆一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80091370)
長谷川 益己 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (00372756)
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Keywords | 材木育種 / 環境 / 林学 / 京都議定書 / DNAマーカー / 容積密度 / 繊維長 / パルプ化特性 |
Research Abstract |
1.DNA分子マーカーを導入した新林木育種システムの構築 Acacia mangium, A.. auriculiformisの種間雑種鑑定のためのシステム開発では,両種間に特異的に出現する RAPD (random amplified polymorphic DNA)フラグメントを探索し, SCAR(sequence characterized amplified region)化を行った。得られた種特異的SCAR (すべて優性マーカー)をそれぞれ3個,計6個を1回のPCRで増幅し,両種およびハイブリッドアカシアを迅速・簡便に識別するための樹種・雑種鑑定システムを完成した。また,アカシアとファルカタリアにおいては,今後創出される優良クローン管理を効率よく行うために,複数のRAPDをmultiplex PCRする改良MuPS (multiplex PCR of SCAR markers)分析系を確立した。 2.パルプ化特性関連形質の種内・種間変異性の評価 パルプ特性評価用の木材コアサンプルをインドネシア,Wonogiriにあるアカシア産地試験地のプラス木から採取した。先ず,各個体の物理的なパルプ化特性(繊維長と容積密度)の評価方法を検討した結果,(1)繊維長では,コアサンプルの樹皮側から相対距離が30%と50%の2箇所の平均値を個体の繊維長の代表値にできること,(2)容積密度では,コアサンプルの樹皮側から相対距離が0%から70%の箇所とすることで効率的な評価が可能であることを明らかにした。また,化学的なパルプ化特性の評価では,小スケールかつ簡便な材中リグニン量の分析法を確立した。本手法で得られたリグニン含量は既報文献値とほぼ同等の値を示し,分析値のばらつきも小さく,再現性にも優れていた。
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