2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17208016
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (10109514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40231930)
東藤 孝 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 助教授 (60303111)
|
Keywords | ニホンウナギ / アンドロゲン / 11-ケトテストステロン / 卵母細胞 / 油球 / ステロイド合成酵素 / リポタンパク / 卵質 |
Research Abstract |
本研究は、サケ脳下垂体投与により人為催熟された雌ニホンウナギを材料として、卵巣および肝臓での主要な分子の作用機構を解析することで、良質卵大量生産技術の確立をめざしている。これまでに未成熟雌ニホンウナギにアンドロゲン(11-ケトテストステロン;11KT)を投与すると初期卵成長(油球蓄積)が促進されることを報告しているが、本年度は、アンドロゲン合成に必須の11β-水酸化酵素(P45011β)のリコンビナントタンパクに対する特異抗体を作製した。また、卵巣の器官培養系を用いて、卵母細胞の油球蓄積に及ぼすアンドロゲンおよびリポタンパク質の影響を調べた。その結果、油球はリポタンパク質、特に超低密度リポタンパク質(VLDL)に由来し、アンドロゲンがその取り込みに何らかの作用を及ぼしていることが示唆された。次に、アンドロゲンで前処理された未熟雌ウナギを催熟することにより、前処理がその後の人為催熟に及ぼす影響を調べた。その結果、アンドロゲン前処理により卵径は有意に増大し、油球蓄積が顕著に進行した。それら個体を人為催熟した結果、成熟、排卵に至る個体は、アンドロゲン未処理群に比べ前処理群で顕著に多く、成熟に要する期間も短縮された。卵質に関しては未だ検討の余地はあるものの、アンドロゲン前処理群の方が浮上率、受精率ともに高く、孵化仔魚も得られた。さらに、アンドロゲンによる作用はアンドロゲン受容体:(AR)を介するため、アンドロゲンの卵巣における作用部位を特定することを目的として、2種のAR(ARαおよびARβ)mRNAの発現部位を調べた。その結果、人為催熟前の卵巣において、既に両AR mRNAが卵濾胞細胞層、特に莢膜細胞と思われる細胞で検出された。しかし、卵黄形成の進行に伴って、その発現量や発現部位に明瞭な変化は認められなかった。
|
Research Products
(5 results)