2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17208016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 晧平 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 特任教授 (10109514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40231930)
東藤 孝 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (60303111)
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Keywords | 魚類 / ニホンウナギ / 最終成熟誘起ステロイド / 最終成熟誘起ステロイド受容体 / 核型プロゲスチン受容体 / 膜結合型プロゲスチン受容体 / サイクリンB / 卵質 |
Research Abstract |
魚類の卵母細胞の成熟は、最終成熟誘起ステロイド(MIS)により誘起される。MISは卵母細胞膜に存在する特異的受容体(MIS-R)を介してその作用を発現する。これまで、核型プロゲスチン受容体(PR)および膜結合型プロゲスチン受容体(mPR)が、MIS-Rであることが示唆されている。そこでまず、ニホンウナギの2種PR(PRαおよびPRβ)の卵巣の発達に伴う発現変化およびその局在性を調べた。その結果、両PRmRNAの発現は卵巣の発達に伴い斬増し、卵黄形成後期に急増し、成熟期に最高値に達した。しかし、これらPRmRNAは卵濾胞細胞層で特異的に検出され、卵母細胞では全く確認されなかった。また、膜型PRγ(mPRγ)について、卵巣の発達に伴う発現量変化を調べた。その結果、mPRmRNA量は油球期から核移動期にかけてほとんど変化しなかった。また排卵後の濾胞と卵でmRNA量を比較したところ、卵での値が有意に高かった。しかし、いずれのPRあるいはmPRもMIS-Rであると断定するには至らなかった。 また、ニホンウナギの卵質悪化機構を明らかにすることを目的として、卵質を評価することのできるマーカータンパク質を探索した。抗サイクリンB血清を用いたウエスタンブロット解析を行った結果、陽性バンドが検出されない、あるいは弱く検出される個体は卵質が悪かったが、卵質が悪い個体の中にも陽性バンドが強く検出される個体も存在した。また、抗ニホンウナギ成熟卵抽出液血清を用いて解析を行った結果、卵質の良い個体では40kDaに強くバンドが検出されたのに対し、卵質の悪い個体では40kDaの陽性バンドは弱かった。従って、卵質悪化には複数の要因が関与することが示された。
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Research Products
(6 results)