2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17208019
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中村 將 University of the Ryukyus, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10101734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 亨 水産総合研究センター, 養殖研究所, 主任研究員 (30221972)
平井 俊朗 帝京科学大学, 理工学部, 講師 (30238331)
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Keywords | 性分化 / 性決定 / 性転換 / 雌性ホルモン / 雄性ホルモン / アロマターゼ / ステロイド代謝酵素 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
ヤイトハタの性分化過程の観察 ヤイトハタの生殖腺の性分化過程を組織学的に観察した。孵化直後から39日目までの生殖腺は、性的に未分化な状態であった。艀化後47〜74日目にかけて、生殖腺の体側に2つの体細胞の集塊が出現した。この集塊はその後の発達からほかの硬骨魚で見られる卵巣腔形成と一致したことから、卵巣腔の文化であると判定された。卵巣腔は卵巣分化の形態的な特徴であることから、この時期に卵巣の分化が開始することが明らかとなった。その後、全ての個体で卵巣腔の形成が認められ、全個体の生殖腺は卵巣として分化することが明らかとなった。 ティラピアの雌性ホルモン合成阻害による卵巣分化後の遺伝的雌生殖腺の精巣への性転換開始機構 これまでに、アロマターゼ阻害財(AI)による卵巣分化後の成熟雌における精巣への性転換は卵巣の中〜後端部から特異的に開始することを明らかにした。この限られた領域での精巣への性転換開始は発生過程において予め決定されたものなのか、あるいは、発生に伴って限局した結果なのかを明らかにするため、様々な日齢のティラピアXX個体をAI処理し精巣への性転換を誘起し、その詳細を調べた。その結果、発生に伴って性転換開始領域が限局されていくことが明らかとなった。 コイ及びヒラメの性分化機構の解明 コイ遺伝的全雌群1年魚に対してアロマターゼ合成阻害剤経口投与を行った。その結果、雌性ホルモン合成を阻害することで一旦分化した卵巣中に精巣組織が分化することを確認した。性ホルモン合成を阻害することで一旦分化した卵巣中に精巣組織が分化することを確認した。温度依存的に生殖腺の性が決定されるヒラメの性分化期における2種類の生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の発言動態を調査した。その結果、卵巣分化温度条件においてFSH受容体遺伝子の特異的発現が確認され、従来性成熟にのみ関与されると考えられていた脳下垂体生殖腺系が性分化にも関与していることが示された。
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Research Products
(17 results)