2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブロイラーとレイヤーにおける脳機能の違いの解明とそれを応用した飼養技術の導入
Project/Area Number |
17208023
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
菅原 邦生 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50091947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 充宏 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30209176)
斎藤 昇 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40211924)
平松 浩二 信州大学, 農学部, 助教授 (80238386)
本田 和久 神戸大学, 農学部, 助手 (40335427)
|
Keywords | ブロイラー / レイヤー / 体液浸透圧 / 摂食行動 / アルギニンバソトシン / NPY / POMC / 熱産生量 |
Research Abstract |
2または3週齢ヒナの視床下部腹内側領域セロトニンとその代謝産物の細胞間隙存在量の比はレイヤー(L)よりブロイラー(B)において高く、またドーパミンとその代謝産物の比はBよりLにおいて高いことが明らかになり、摂食抑制因子及び行動促進因子の分解速度の違いによって、摂食行動やストレス応答の違いが生じている可能性が示唆された。 ラット等において摂食亢進(NPY及びAGRP)または抑制(POMC、CART及びCRF)の働きが明らかにされているペプチドの遺伝子発現量を調査した結果、BとLの摂食量に差が生じていない2日齢では、POMC、CART及びCRFのmRNA量は、Lに比べBで少ないが、NPY及びAGRPのmRNA量には両者間に差がなかった。両者間の摂食量の相違は「摂食抑制系」が関与する可能性が推察された。 漏斗核のNPYニューロンは、LよりBにおいて多数観察され、特にその差は孵化直前において顕著であり、孵化後におけるBとLの摂食量の相違は孵化直前の漏斗核におけるNPYニューロンの数の相違を反映しているものと考えられた。ガラニンニューロンの分布に、ステージおよび鶏種による相違は認められなかった。 1週齢L雄ヒナを用いて、塩水投与による急性な浸透圧刺激後に視床下部におけるアルギニンバソトシン(AVT)および転写因子の遺伝子発現を調べた。AVT mRNAレベルは、転写因子cfos、TonEBPとともに、塩水投与3時間後に増加した。1週齢B雄に急性な塩水投与を行った結果、血中Na濃度はLヒナと同様に増加したが、AVT mRNA量は増加しなかった。BとLでは浸透圧刺激に対する視床下部の調節機構に違いがあることが示唆された。 鶏胚の熱産生量と脂質代謝はBとLとでは胚成長の時期において異なり、この違いが胚時期の成長差を生じる要因の一つと考えられた。BとLの肝臓機能の発達は胚時期に違いがある可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)