2006 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドと成長因子の共役による脳機能の維持と再生
Project/Area Number |
17208025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
山内 啓太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (70272440)
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Keywords | 脳・神経 / ステロイドホルモン / 成長因子 / 神経新生 |
Research Abstract |
近年、ステロイドホルモンが認知、記憶など脳の高次機能の維持や虚血性脳疾患からの回復に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあり、この作用は保護作用と呼ばれている。保護作用の詳細は明らかではないが、神経細胞死の抑制、脳内に存在する幹細胞からの神経細胞の増殖、再生などの関与が想定されている。我々は、ステロイドの保護作用は幾つかの成長因子の遺伝子発現を介すること、さらにその中には我々が同定した脳の性分化関連遺伝子(グラニュリン)が含まれることを見出した。本研究はステロイドと成長因子の共役による神経細胞の分化と再生の神経生物学的基盤を確立し、高齢の動物やヒトにおける脳機能の維持、回復のための方法論を構築することを目的としたものである。本年度には、まずニューロスフェア法による神経幹細胞の培養系を確立し、イン・ビトロでエストロゲンが細胞増殖を促進することを見出した。このエストロゲンの作用はグラニュリン抗体により抑制されたことから、エストロゲンの神経細胞増殖作用はグラニュリンにより仲介されていることが明らかとなった。さらに、グラニュリン遺伝子の変異が前頭側頭型痴呆の原因であることが報告されたことから、グラニュリン・ノックアウトマウスを用いて各種の行動学的な表現型について解析を行った結果、不安傾向や攻撃性の上昇などが観察された。一方、MPTPの神経毒性作用をグルココルチコイドが緩和することを見出した。これらの新しい知見に基づき、来年度以降、さらにその作用機序や意義の解明に向けた解析を進める予定である。
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Research Products
(6 results)