2005 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応性ゲノム標的分子の展開とインテリジェント・ナノ医薬としての基礎検討
Project/Area Number |
17209001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10170672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永次 史 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (90208025)
中川 治 九州大学, 薬学研究院, 助手 (90380691)
續 輝久 九州大学, 医学研究院, 教授 (40155429)
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Keywords | 有機化学 / インテリジェント人工核酸 / ナノ医薬 / マイナーグループバインダー / アンチセンス / アンチジーン / 3本鎖DNA |
Research Abstract |
ポストゲノムシークエンス時代に突入した現在では個々の遺伝情報に基づく新しい医薬品ならびに治療法の開拓が急務となっている。20塩基長程度の小さな人工核酸を用いてDNAやRNAなどの遺伝情報分子を直接標的にするバイオテクノロジー(ゲノム標的分子)はナノサイズの高機能分子として、ナノ医薬への展開が精力的に検討されている。本研究では、我々が創造したインテリジェント機能性分子をナノ医薬に発展させるための基礎検討を目的として、(1)生体内でゲノムを標的とする新規反応の開発、(2)ゲノム標的化のための有用な認識分子の設計、(3)ナノ医薬のための高機能集積型分子の設計、(4)ナノ医薬としての新しい生物活性の検証、に関する項目の検討を行う。 (1)生体内でゲノムを標的とする新規反応の開発と機能評価 17年度では、生細胞を用いた評価結果を指標として新しいクロスリンク分子の開発を目的に、ビススフフィド構造をもつものの中から生体への利用可能な効率的クロスリンク分子を検索した。その結果、ヒドロキシエチルスルフィド構造が、測度および選択性の両方で優れていることが分かった。引き続き、生体内反応のモデルとして細胞抽出液中でのルシフェラーゼ発現におけるアンチセンス効果を調べたところ予想に反して天然オリゴ核酸よりも阻害効果が低かった。来年度はこの原因の解明を行い、より効果的なクロスリンク分子の開発を継続する予定である。 (2)ゲノム標的化のための有用な認識分子の設計 低分子化合物によるDNA高次構造の認識を目指して、マイナーグループ結合分子を複数結合したリガンドを設計・合成した。その結果、ジャンクション構造認識分子の開発に成功した。 (3)アンチジーン核酸の評価 3本鎖DNA形成によって認識できる遺伝子配列を拡張するため、我々はビシクロ糖構造を持つ人工核酸を開発し、世界に先駆けて4種の認識コードを完成させることに成功した。17年度は、さらに認識の一般性を高めるため、ベンゼン環をピリジン環などの種々の芳香族に置換した構造を合成した。その結果、ブロモ置換およびシアノ置換体によって、3本鎖形成能の配列依存性を克服することに成功した。平成18年度は3本鎖DNA構造の解明研究を行い、新規分子設計に役立てる予定である。 (4)生体利用のためのナノ医薬分子の設計 官能基転移反応により塩基構造を変換する分子を用いて、細胞内での変異修復を目指した共同研究を開始した。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Hybridization-Promoted and Cytidine-Selective Activation for Cross-Linking with the Use of 2-Amino-6-Vinylpurine Derivatives2005
Author(s)
Kawasaki, T., Nagatsugi, F.Md.Monsur Ali, Maeda, M., Sugiyama, K., Hori, K., Sasaki, S
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Journal Title
J.Org.Chem 70
Pages: 14-23
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