2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトに対する癌化学予防剤の選択基準に関する研究と、テーラーメイド癌予防法の開発
Project/Area Number |
17209022
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20186993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70315935)
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (80315936)
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (70381936)
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Keywords | 癌 / p16 / p15 / MAPK / MEK / Oct-1 / DR5 / TRAIL / テーラーメイド予防 |
Research Abstract |
1)ヒトに用いる癌科学予防剤の選択基準の確立に関する研究 多くの癌でp16遺伝子の不活性化が認められているが、p16遺伝子は、p15、p18、p19遺伝子からなるファミリーを形成している。我々はp16が不活性化している場合には、これらのp16ファミリーの活性化が癌予防、癌治療に有効と考え、p15の発現制御機構に関する研究を実施した。 その結果、p15の発現は転写因子Oct-1に制御されていること(Hitomi T.et al.)、p15の発現はEGFRを介したMAPK/MEK経路により制御されていること(Koyama M.et a1.)を明らかにした。今回見いだした成果は、p16が不活性化している場合のp15誘導による癌予防法の開発に重要な示唆を与えるものである。 2)発癌家系であるリ・フラウメニ症候群に対するテーラーメイド予防に関する研究 遺伝子の一つであるDR5遺伝子の発現誘導を増加させる薬剤の探索を行った。ホヤや貝類に含まれるカロテノイドであるHalocynthiaxanthinがDR5発現を増加させることをみいだした(Yoshida T.et a1.)。DR5のリガンドTRAILは癌細胞特異的にアポトーシスを誘導するが、HalocynthiaxanthinとTRAILの併用は癌細胞には強力にアポトーシスを誘導した。これらの結果、HalocynthiaxanthinとTRAILの併用はリ・フラウメニ症候群に対するテーラーメイド予防に効果的であることが示唆された。またFenretinideや15-deoxy-Δ^<12,14>-prostaglandin J_2にも同様な効果があることを見出した(Kouhara J.et a1.& Nakata S.et a1.).
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