2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトに対する癌化学予防剤の選択基準に関する研究と、テーラーメイド癌予防法の開発
Project/Area Number |
17209022
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 敏行 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (20186993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70315935)
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70381936)
堀中 真野 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80512037)
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Keywords | がん / テーラーメイド予防 / p53-RB経路 / リ・フラウメニ症候群 / 家族性メラノーマ |
Research Abstract |
1)ヒトに用いる癌化学予防剤の選択基準の確立に関する研究 RB経路はヒト発癌において最も重要な経路であり、この経路を回復・活性化させる食品成分の探索を行い、それらの成分の作用機構を解析した。さらにこれら食品由来成分を組み合わせて発癌抑制における相乗・相加効果の検討を行った(現在、論文投稿中)。 2)発癌家系であるリ・フラウメニ症候群に対するテーラーメイド予防に関する研究 リ・フラウメニ症候群は、癌抑制遺伝子p53遺伝子が失活している悪性腫瘍多発家系である。p53により活性化されるp53標的遺伝子のタンパク量が減少するために、細胞増殖抑制やDNA修復やアポトーシスが生じなくなっている。そこで、p53標的遺伝子として、アポトーシス誘導に関与しているDR5の発現を誘導する薬剤・食品由来成分の探索を行った。尿酸合成阻害薬のallopurinol、抗血小板薬のdipyridamole、さらに植物成分では、生薬オウゴンの成分であるbaicalein、生薬カンゾウの成分であるisoliquiritigenin、ダイコンやタマネギの成分であるkaempferol、マメ科植物の成分であるbrandisianin Dに、それぞれDR5発現誘導能があることを見出した。そしてそれらと、DR5の特異的リガンドであり、抗腫瘍性サイトカインであるTRAILとの併用によって、腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導が、TRAIL単剤に比べて著しく増強することを確認した。今回の成果は、リ・フラウメニ症候群に対するテーラーメイド予防法の開発に重要な示唆を与えるものである。さらに、これまでの研究成果から、in vitro試験においてp53標的遺伝子の発現量を調節する作用を有する食品由来成分を組み合わせ、in vivo試験により発癌抑制における相乗・相加効果の検討に移った段階である。
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Research Products
(38 results)