2006 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスによる自然(Innate)免疫応答への干渉メカニズム解析
Project/Area Number |
17209026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小俣 政男 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90125914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 直也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90313220)
前田 愼 朝日生命成人病研究所, 内科部長(研究職) (40415956)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 自然免疫 / インターフェロン / 持続感染 / レプリコン / PKR / p53 / 転写因子 |
Research Abstract |
PKRは,インターフェロンに誘導される遺伝子で,ウイルス増殖を抑制する.そこで,C型肝炎ウイルス増殖に対するPKRの働きを検討した,PKRノックダウン細胞とコントロール細胞でのC型肝炎ウイルスレプリコン増殖を比較したところ,PKRノックダウン細胞において,レプリコン増殖がコントロール細胞の約3倍に上がっていた.また,PKRノックダウン細胞では,インターフェロンの抗レプリコン活性がコントロール細胞に比し減弱していた.PKRは,C型肝炎ウイルス増殖抑制において重要な役割を担うことが示された. 次に,全長C型肝炎ウイルス感染増殖システムを確立し,これを用いて癌抑制遺伝子p53のC型肝炎ウイルス感染・増殖に及ぼす影響を検討した.p53をノックダウンしたHuh7では,全長C型肝炎ウイルスゲノムおよびレプリコンともにコントロール細胞に比べて増殖効率が高かった.p53のC型肝炎ウイルス増殖抑制作用はN端のtransactivationドメインを介していた.p53がC型肝炎ウイルスに対する宿主の自然免疫機構において重要な役割を果たしていることが示された. C型肝炎ウイルスが肝細胞に感染すると,宿主の転写因子は様々な影響を受ける.そこで,C型肝炎ウイルス感染増殖が宿主肝細胞へ及ぼす影響を明らかにするために,C型肝炎ウイルス感染増殖の宿主転写因子への影響を網羅的に検討した.345種類の転写因子の変化を検討したところ,2倍以上活性化された転写因子は10種類あり,C-Rel,ISRE (interferon stimulated response element)などを含んでいた.1/2以下に抑制された転写因子は11種類であり,GAS/ISRE,WTI,TFIIDなどを含んでいた.C型肝炎ウイルス増殖はインターフェロンシステムなど宿主の様々な転写因子に影響することが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)