2007 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞移植前臨床にむけたサルおよびヒト幹細胞からの心筋再生と移植法の検討
Project/Area Number |
17209029
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 恵一 Keio University, 医学部, 教授 (20199227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 光繁 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30317135)
湯浅 慎介 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90398628)
服部 文幸 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (50398624)
谷岡 功邦 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 研究員 (10072406)
佐々木 えりか 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 研究員 (70390739)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 心筋細胞 / 細胞移植 / 奇形腫 / 分化誘導 / 多分化能 |
Research Abstract |
コモンマーモセットサル胚性幹細胞から心筋細胞への分化誘導はマウス胚性幹細胞から心筋細胞への分化誘導と異なる条件で分化誘導されることを明らかにした。コモンマーモセットサル胚性幹細胞は表面抗原ではマウスよりもヒト胚性幹細胞由来の心筋細胞に近く、細胞分化の速度もヒト胚性幹細胞とほぼ同様であった。分化誘導された細胞は心臓特異的転写因子、心筋特異的蛋白質を発現し、完全な心筋細胞であった。次に、マウス、サル、ヒト胚性幹細胞の効率的な移植を行うための基盤研究をおこなった。これまで我々を含め、組み替えプラスミド(心筋蛋白特異的遺伝子のプロモーターにGFPや薬剤耐性遺伝子を組み替えたもの)を遺伝子導入する方法により、心筋細胞の分離が行われてきた。しかし、この方法は遺伝子導入が必要な点で臨床応用を難しくするものであった。我々は遺伝子導入を伴わない,心筋細胞の物理化学的性質を利用した方法により心筋細胞のみを単離する技術に成功した。この方法による心筋の純度は99。9%であった。さらに、この方法で純化した心筋細胞をNOD-SCIDマウスに効率的に移植する方法を開発した。従来の注射針で移植する方法(生存率5%)に比して、90%以上の生存率を持って移植可能な方法を開発した。これに加え、我々が開発した心筋細胞シートを作成する技術をマーモセットサル由来の再生心筋細胞に応用し、サルの再生心筋細胞シートの作成に成功した。実験動物中央研究所と共同でコモンマーモセットサルの心筋梗塞モデルを開発した。心臓の交感神経分布様式を決定する分子機序を解明し、心内膜側心筋に交感神経分布密度が薄く、心外膜側心筋に分布密度が高い状態が存在することが心臓に不整脈を起こさせない重要な要素であることを明らかにした。心不全心筋からの分泌液性因子が交感神経を幼若化(ノルエピネフリンの産生と取り込み低F、幼若マーカー発現)することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)