2005 Fiscal Year Annual Research Report
HIF安定化に基づいた糖尿病性合併症に対する慢性虚血改善薬の探索
Project/Area Number |
17209030
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
宮田 敏男 東海大学, 医学部, 教授 (10222332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 令明 東海大学, 医学部, 教授 (70238393)
南学 正臣 東京大学, 医学部, 助手 (90311620)
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Keywords | hypoxia / hypoxia inducible factor / structure based drug design / angiogenesis |
Research Abstract |
我々は、虚血に対する治療薬ターゲットとしてhypoxia inducible factor(HIF)を考えている。本研究では、HIF活性を安定化する事を目的に、HIF分解に関わるprolyl hydroxylase(PHD)の活性を阻害する薬剤の探索、その作用機序の解明、さらには動物モデルでの評価を行う。 HRE-LUCを導入した細胞系を用いてvitroで化合物ライブラリーをスクリーニングした結果、HIFを活性化する2つのヒット化合物(TM6008,TM6010)を得ていた。これら化合物の構造最適化により、新たに1化合物(TM6089)を見出した。Structure based drug design(SBDD)解析により、これらHIFを活性化する化合物は全てPHDのHIF proline結合部分に挿入されることが分かった。Vitroの解析で、実際にこれら化合物は、1)PHDとHIF peptideとの反応を濃度依存的に阻害し、2)PHD活性を阻害することが示された。これまでPHD阻害薬は幾つか報告されているが、全てPHDの基質である2-oxyglutarateと競合する化合物であり、HIF prolineと競合しPHDを阻害する化合物は、我々の化合物が始めてである。 これら化合物の薬物動態試験と毒性試験を実施し、TM6008とTM6089の2つに絞り込んだ。マウス皮下に埋め込んだスポンジに局所投与したところ、両化合物ともに局所における血管新生およびヘモグロビン含有量を増加した。また、HIF-HREトランスジェニックラットを用いて、これら化合物が多臓器(腎臓、肝臓、心臓など)でHIFの活性を増強することが示せた。 以上、今年度、HIF prolineと競合しPHDを阻害する化合物する新規化合物を取得し、その作用機序の解明、さらには動物モデルでの評価を予定通り終了した。
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