2006 Fiscal Year Annual Research Report
HIF安定化に基づいた糖尿病性合併症に対する慢性虚血改善薬の探索
Project/Area Number |
17209030
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
宮田 敏男 東海大学, 医学部, 教授 (10222332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 令明 東海大学, 医学部, 教授 (70238393)
南学 正臣 東京大学, 医学部, 講師 (90311620)
|
Keywords | 慢性虚血 / hypoxia / HIF / prolyl hydroxylase / 腎保護 / 脳保護 / 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
昨年度までにhypoxia inducible factor(HIF)prolineと競合し、prolyl hydroxylase(PHD)を阻害する新規化合物を取得し、さらには動物モデルでの薬効評価を終え、HIFの活性増強を証明できた。これらの検討過程において、HIF活性化化合物の1部がHIF分解に重要なPHD中の鉄結合サイトとの相互作用を示唆する知見も得られている。本年度は、既に結晶化されX線解析が決定されているPHDの立体構造に基づいて、化合物のPHD上への結合部位と結合様式のシミュレーションを化合物探索ソフト「Ph4Dock」を用いて行った。候補化合物26個のうち、購入可能であった12種をHRE-LUCを導入した細胞系を用いたvitro評価(HIF活性化合物スクリーニング)をした。結果、既に得られている2化合物の活性を上まわるものは得られなかった。 一方で、昨年取得したTM6008の腎保護作用を糸球体腎炎モデル(Thy-1腎炎)、腎尿細管間質障害モデル(Angiotensin II infusion)で評価した。これらモデルでの有用性を示す事はできなかったが、脳虚血モデルでは脳保護作用を確認できた。 また、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症、高度タンパク尿を呈する2型糖尿病性腎症ラットモデルに対し、26週間に渡る長期のコバルト投与を行い、chronic hypoxiaの改善と腎保護の関係について検討を行い、コバルトは肥満、血圧、血糖、脂質に影響を及ぼすことなく、タンパク尿、糸球体障害、尿細管間質障害の改善をもたらした。腎保護作用の機序の一環として、腎臓中の酸化ストレス(NADPH oxidase mRNA)、ペントシジン、TGF-_(mRNA)の抑制が確認され、またエリスロポエチン、VEGFの上昇も確認された。これら結果は、糖尿病性腎症におけるHIF-1_活性化による腎機能保護効果を示す初めての知見である。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Protective role of HIF-2 alpha against ischemic damage and oxidative stress in the kidney
Author(s)
Kojima I, Tanaka T, Inagi R, Kato H, Yamashita T, Sakiyama A, Ohbneda O, Takeda N, sata M, Miyata T, Fujita T, Nangaku M
-
Journal Title