2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17209043
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
谷口 英樹 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70292555)
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Keywords | 幹細胞 / 糖尿病 / 膵島 / 再生 |
Research Abstract |
糖尿病に対する再生治療の臨床応用に向けた基盤技術の開発を目的として、単離した膵細胞集団の中から、極少数しか存在せずかつ形態によって区別することが難しい多能性を持つ幹細胞を、FACS (fluorescence activated cell sorter)を用いた精度の高い細胞分離法により純化・回収し、それらの分化・増殖・自己複製機構を解析することを試みている。本年度は、膵管上皮に特異的に発現している細胞表面分子であるCD133(Prominin 1)を指標として膵幹/前駆細胞の分離を行った。その結果、クローン性コロニー形成能と多分化能を兼ね備えた膵前駆細胞はCD133陽性細胞画分に限定的かつ高頻度に存在することが明らかとなった。すなわち、膵幹/前駆細胞の存在部位が膵管上皮であることが明確化された(Gastroenterology 132:720-732,2007)。また、膵幹/前駆細胞の可塑性について、膵前駆細胞が神経系細胞へ分化し得る可能性が示唆された(BBRC 352:84-90,2007)。また、膵臓の初期発生時に限定的に発現する転写因子(PDX-1)プロモーターでDsRedII遺伝子を発現するトランスジェニックマウスからFACSを用いて、DsRed^<dim>SSC^<high>細胞画分を分離・回収し、その分化・増殖能を検討した。その結果、クローン性コロニー形成能と多分化能(含むインスリン陽性細胞)を兼ね備えた膵幹/前駆細胞が、DsRed^<dim>SSC^<high>細胞画分に限定的かつ高頻度に存在することが確認された。また、DsRed^<dim>SSC^<high>細胞の7日間にわたるクローナルな追跡観察系を確立し解析を行ったところ、DsRed^<dim>SSC^<high>細胞の一部に非対象分裂が生じていることが確認された。今後、これらの細胞の機能解析をさらに推進する。交付申請書に記載した備品(リアルタイムPCRシステム)については、大学の共通機器として同等物品の購入計画があることが判明したため、代わりに優先順位が次点であった幹細胞の機能解析に必須である安全キャビネット・液体窒素保存容器・バイオシェーカーを購入した。
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Research Products
(8 results)