2005 Fiscal Year Annual Research Report
治療過程管理を導入した小児横紋筋肉腫にたいする臨床試験と遺伝子解析研究
Project/Area Number |
17209055
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 哲朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00118944)
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
池田 均 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
太田 茂 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40127014)
細井 創 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (20238744)
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Keywords | 横紋筋肉腫 / 中央病理診断 / PAX3-FKHR / PAX7-FKHR / VOD / VAC |
Research Abstract |
小児横紋筋肉腫に対する臨床試験の実施 1.中央病理診断 平成16年度より開始した臨床試験では中央病理診断を実施し、同時にPAX3, PAX7-FKHRキメラ遺伝子の検出を実施している。現在までに53例の一次登録を得たが、施設病理診断との相違例は21%にのぼり、わが国における小児固形腫瘍の診断体制の実情が明らかにされた。胞巣型腫瘍におけるキメラ遺伝子の検出頻度はこれまでのIRSの報告に比して高く、新鮮凍結組織の提供によるものと考えられた。 2.臨床試験 1)VODの発生と対応 中間リスク群および低リスク群ではVACを基本とする化学療法を採用しているが、当初の13例の登録について5例のVODが発生した。これらの有害事象はプロトコールにもとづく急送有害事象としては報告されていなかったため、データセンターにCRFが送付された時点で気づかれることとなった。研究事務局として主任研究者はデータセンター会議を平成17年7月7日に緊急招集し、低リスク群および中間リスク群の症例登録を一時停止した。7月29日に臨時運営委員会を開催しVODへの対応を検討し、ACDの投与法を連日5回投与としたことにより総量の増加を招いたことが原因と考えられたため、0.045mg/kg/一日投与法に変更し効果安全性評価委員会の承認を得た。プロトコールの改訂を実施、以後VODの発生を見ていない。 2)放射線治療のQA 照射野に関する即時性のある治療過程管理を行うことが現状では困難である。放射線治療に関するCRFによりいくつかの症例で問題点が指摘された。今後放射線治療委員会でコンサルテーションを行うこととした。 3)モニタリングレポート 低リスク、中間リスクおよび高リスク群のデータセンターが統一のフォーマットにもとづいたモニタリングレポーを行った。いずれの試験も中間解析にいたるまでの症例が蓄積されていないが、現在までVODの発生を除き急送有害事象に相当するものは見られない。薬剤投与量についてプロトコール逸脱の有無を検討するために規定の±5%以上の逸脱を抽出し、さらに10%を越えるものについては症例の報告者に直接連絡を行って確認することとした。
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Research Products
(6 results)