2005 Fiscal Year Annual Research Report
分化最適化させた骨髄間質細胞と人工マトリクスを用いた脊髄及び末梢神経損傷の治療
Project/Area Number |
17209056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (70010080)
谷原 正夫 奈良先端大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (50294286)
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Keywords | トランスレーショナル / 移植・再生医療 / 神経科学 |
Research Abstract |
これまで神経幹細胞や骨髄間質細胞を保持する人工マトリクスとして、アルギン酸ゲルを用いてきた。神経損傷後の細胞の変質に注目し、腫瘍壊死因子(TNF : Tumor Necrosis Factor)を特異的に抑制するペプチドを開発し(K.kajiwara, et al., BAA,1699,131-137(2004))アルギン酸に添加した。このアルギン酸と神経幹細胞を脊髄損傷部と皮下に移植し、細胞の維持と分化に対する効果を検証した。 方法 妊娠16日目のラット胎児海馬より、細胞を取り出しB-27 supplement、bFGFを含む培地で2週間培養を行い、ニューロスフェアを形成させた。ニューロスフェアをpKH67で標識後、ペプチドを添加したアルギンサンゲルと混合し、生後4週目ラットの脊髄損傷部に移植した。移植後2,3,4週目に組織を取り出し蛍光顕微鏡で観察を行った。次に同様の方法で調整したアルギン酸ゲルを生後4週目ラット皮下に移植し、1週間後に観察を行った。 結果 移植後3週、4週目の脊髄ではTNFα抑制ペプチドを添加したアルギン酸ゲル中ではニューロスフェアが保持され、球状のニューロスフェアは菱形に成長していた。皮下移植後1週目においてもゲル中にニューロスフェアが保持されていた。 考察 TNFα抑制ペプチドを添加したアルギン酸は生体内でも神経幹細胞の分化を促進させると考えられた。また脊髄や皮下において細胞の保持に効果があった。今後は、移植後長期の観察を行うことと、移植する細胞の量やアルギン酸の固さを調整して、細胞の保持や分化の効率を高める予定。
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[Journal Article] Review Peripheral nerve regeneration using non-tubular alginate gel crosslinked with covalent bonds2005
Author(s)
Hashimoto, T., Suzuki, Y., Suzuki, K., Nakashima, T., Tanihara, M., Ide, C.
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Journal Title
Journal of Materials Science : Materials in Medicine 16
Pages: 503-509
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