2005 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップ結合を介した細胞間情報伝達系の四次元解析を基盤とした病態の解析とその展開
Project/Area Number |
17209058
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (60281515)
市野瀬 志津子 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助手 (60014156)
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Keywords | コネキシン / ギャップ結合 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 骨代謝 / リポソーム |
Research Abstract |
本研究はギャップ結合に関与するコネキシン(Cx)タンパクの役割を解明するため、単にギャップ結合だけではなく、Cxタンパクそのものにも焦点を当て、Cx遺伝子の発現から、細胞膜へのインテグレート、細胞膜での挙動、ヘミチャネル、ギャップ結合に至るすべての過程を網羅的に、しかも時間的要素を含めてCxタンパクの一生を明らかにすることにより、各種疾患におけるCxの関与を明らかにすることを目的としている。本年度は、1)ガン細胞におけるCx43発現と増殖抑制の機序の解明を行なうとともに、唯一の例外である肝ガンにおけるCx43と増殖・分化の関係を明らかにした。すなわち、通常のガンにおいては、Cx43タンパクの発現は、Skp-2の分解を促進することによりp27タンパクの安定化により増殖を抑制することを明らかにしたが、肝ガンにおいては、Cx43の発現がガン化により誘導され、Cx43発現を抑制することによりガン細胞の増殖促進・ガン化の増悪が認められた。その機序の解明を行なったところ、Cx43の増加はCx37の減少・ギャップ結合を介した細胞間情報伝達を抑制することにより、細胞増殖に促進的に働くことが明らかとなった。しかも肝ガン治療薬として注目されているビタミンK2は、その作用機序が明らかでなかったが、本研究でCx43発現を抑制することにより正常化に向かわせることが明らかとなった。2)Cx43タンパクを遺伝子より転写・翻訳の過程をすべてリポソーム内で行なわせることにより、Cx43で構成したコネクソンを膜にインテグレートしたリポソーム内に種々のオリゴペプチドを加え、細胞への処理を行なったところ、他の薬物導入法と比較し、短時間で高効率に細胞に取り込ませることが可能であることが明らかとなり、新しい薬物導入法としての開発を行なっている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Autoamplification of NFATc1 determines its essential role in bone homeostasis.2005
Author(s)
Asagiri M, Sato K, Usami T, Ochi S, Nishida H, Yoshida H, Morita I, Wagner EF, Mak TW, Serfling E, Takayanagi H.
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Journal Title
J.Exp.Med., 202
Pages: 1261-1269
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