2007 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨形成過程におけるSox9転写ファクトリーの制御機構の解明
Project/Area Number |
17209059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 俊之 Osaka University, 歯学研究科, 教授 (80142313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 理行 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (60294112)
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Keywords | 軟骨細胞 / 転写ファクトリー / Sox9 |
Research Abstract |
軟骨細胞分化過程において必須的役割を果たす転写因子Sox9の分子メカニズムを明らかにするために、Sox9と転写複合体、すなわち転写ファクトリーを形成する遺伝子クローニングシステムの開発に成功した。このスクリーニングシステムを活用して、Sox9の転写ファクトリーメンバーを探索した結果、カルシウムイオンチャンネルTRPV4が、Sox9の発現ならびに機能を促進させ、軟骨細胞分化を制御していることが明らかとなった。上記の遺伝子クローニングシステムを用いて、さらに探索を続けた結果、Zincフィンガーファミリー分子Znf219が同定された。ホールマウントin situならびにRT-PCR、リアルタイムRT-PCRの結果、Znf219は、Sox9が発現する軟骨組織原基ならびに軟骨細胞に特異的に発現することが見出された。また免疫共沈降法ならびに細胞内イメージング実験の結果、Znf219は、Sox9と物理的に結合し、細胞核内でSox9と転写ファクトリーを形成することが示された。そこで次に、軟骨細胞分化過程におけるZnf219の機能的役割を解明するために、軟骨細胞前駆細胞にZnf219を過剰発現させると、Sox9の存在下で軟骨細胞分化を著明に促進した。一方、ドミナントネガティブ型Znf219の過剰発現は、軟骨細胞分化を著明に促進した。さらにアデノウイルスmiRNAシステムにより、Znf219遺伝子をノックダウンすると、軟骨細胞分化は、抑制された。以上の実験結果より、Znf219は、Sox9の軟骨細胞分化機能発現に重要な役割を果たしていると示唆された。
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Research Products
(5 results)