2005 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉相互作用を模倣した歯胚再生モデルに関する研究
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17209062
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 陽一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (70262079)
完山 学 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90294420)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
上田 実 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00151803)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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Keywords | ES細胞 / 歯胚再生 / 上皮間葉相互作用 / マスターキー遺伝子 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本研究は,歯の発生が骨などの単一組織と異なり,外胚葉由来の上皮組織と神経堤由来の間葉組織の間で生じる上皮-間葉相互作用が重要であることから,上皮組織と間葉組織のどちらにも分化が可能であるES細胞を用いて,歯胚組織誘導を試みようとするものである. 今年度は,gfp遺伝子を導入したマウスのES細胞株から作製した胚様体をプラスチックディッシュ上で接着刺激を加え,歯胚組織へ分化誘導できるかを検討した.すなわち,胚様体をプラスチックディッシュに接着させ20日培養し,経時的に歯胚関連遺伝子の発現パターンをRT-PCR法で解析した.その結果,歯胚発生に関連しているBMP4,Msx1,CTGFなどの発現が認められた.しかし,象牙芽細胞のマーカーであるDSPPやエナメル芽細胞のマーカーであるAmelogeninやAmeloblastinの発現は認められなかった. 次にgfp遺伝子を導入したマウスのES細胞株から作製した胚様体を胎生12日のマウス下顎口腔上皮へ移植し,器官培養することで歯胚組織に分化誘導できるかどうかを検討した.すなわち,胚様体を移植したマウスの下顎をウシ胎児血清含有のBJGb培地下で器官培養し,経時的にtotal RNAを抽出し,歯胚関連遺伝子をRT-PCRで解析した.その結果,移植7日目で,BMP4やMsx1などの歯胚関連遺伝子の発現が認められた.しかし,プラスティックディッシュ上での系と同様に,象牙芽細胞のマーカーであるDSPPやエナメル芽細胞のマーカーであるAmelogeninやAmeloblastinの発現は認められなかった. 今回器官培養の系では培養可能期間が7日間であった.歯胚組織の発生を考えるともう少し長期の器官培養が必要と考えられることから,今後はより長期の培養法の検討を行い,移植した胚様体に発現する遺伝子については,cDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析する予定である.
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Research Products
(5 results)