2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉相互作用を模倣した歯胚再生モデルに関する研究
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17209062
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
完山 学 岡山大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (90294420)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
辻 孝 東京理科大学, 大学院・基礎工学科生物工学専攻, 教授 (50339131)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
浅原 弘嗣 生育医療センター研究所, 移植外科研究部, 部長 (70294460)
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Keywords | 歯胚再生 / 上皮間葉相互作用 / 器官原基法 / 発生・分化 / マスターキー遺伝子 |
Research Abstract |
1.歯胚誘導マスターキー遺伝子の検索 前年度までに新たに歯胚での発現が認められた28個の核内因子の詳細な解析を行った.その結果,28因子のうち,15因子がDNA結合ドメインを有する転写因子,13因子が転写コファクターなどその他の転写関連因子であることを明らかにした.これらの28因子については,胎生16.5および18.5日胚の歯胚での発現パターンも確認を行った.その結果,発現する発生ステージが限られているものや,発生ステージによってその発現パターンに変化の見られるものなどがあった. 2.歯随幹細胞分化誘導因子の検討 ヒト歯随幹細胞の分化を誘導する因子としてスタチンに着目し,その効果の検討を行った.その結果,スタチンはメバロン酸経路を介してヒト歯随幹細胞の増殖を制御すると同時に,分化関連遺伝子の発現を強力に誘導し,移植実験系で硬組織形成を促進することを明らかにした. 3.ヒト歯小嚢上皮細胞の分化に与える歯関連間葉細胞の影響 ヒト歯小嚢上皮細胞のアメロゲニン発現に与える歯関連間葉細胞の影響を検討した.その結果,歯胚間葉細胞との直接的な接触が,歯小嚢上皮細胞におけるアメロゲニン遺伝子発現を強力に促進することが明らかとなった.一方,分離共培養や歯小嚢間葉細胞との共培養ではこの発現促進は認められないことを明らかにした. 4.歯に関連した周囲歯槽骨再生法の検討 間葉系幹細胞に対する成長因子(CCN2/CTGF)の生物学的効果について検討した.その結果,CCN2/CTGFはヒト間葉系幹細胞の増殖と遊走を促進し,ハイドロキシアパタイトスカホードを用いての移植実験系で骨再生を促進することを明らかにした. また,ウサギの長管骨,顎骨からそれぞれ骨髄細胞を分離し,その特徴を比較・検討した.その結果,骨形成・骨吸収両方の観点から長管骨と顎骨は異なる性格を持っていること,特に骨芽細胞の破骨細胞形成支持能の観点からは大きな違いを有していることを明らかにした.
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Research Products
(11 results)