2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞の細胞性ネットワーク形成機序の解明と機械的刺激応答性
Project/Area Number |
17209064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253219)
出口 徹 岡山大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (30346457)
菅原 康代 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (70379775)
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Keywords | 骨細胞 / 歯の移動 / 機械的刺激 / 矯正力 / 3次元立体構築 |
Research Abstract |
本年度の課題として挙げていた3次元ゲル培養法の確立が行われた。骨芽細胞、骨細胞は、従来我々の教室で行われていたニワトリ胚頭蓋骨からの骨細胞の単離方法をラットに応用した。ニワトリ胚からの単離に比べ、骨膜の剥離が困難なため、骨細胞の高い純度は得られなかったが、今回の目的である骨細胞ネットワークの形成を観察するには十分な数は準備できた。3次元培養に用いたられたコラーゲンゲルの調整には、ネットワークを形成するために必要な、厚さの検討がなされた。準備的な実験結果では、従来の厚い(2-3ミリ)のゲルに細胞を混在してゲルを観察すると、深部まで培養液の浸透が難しいためか、細胞の生存率も深部になるにつれて低かった。 さらに、ネットワークを形成するに足りる細胞数を準備するとなると、1ディッシュあたり、100万個の細胞を必要として、初代培養の実験とサンプルを増やすことは、非常に難しいことがわかった。そして、ゲルを可及的に薄く広げる方法を確立し、その中でも細胞のネットワークを観察することができる条件を検討した。結果、50-100マイクロ厚のゲルが細胞の生存率、およびネットワーク形成に必要十分な条件であることが明らかになった。次に、得られた条件で、蛍光観察が行えるかどうかを検討するために、まず、コラーゲンゲル中で、細胞を固定し、細胞骨格の一つであり、骨細胞に主として存在するアクチンを蛍光化学的に染色した。観察には、既存の共焦点レーザー顕微鏡FV500(オリンパス社)を用いて、0.5マイクロ厚の共焦点画像を連続して20マイクロ厚になるように撮り、次に3次元構築ソフトIMARISを用いて立体構築した。結果、ゲル中骨細胞のアクチン染色により、骨細胞の細胞体、細胞突起、およびその側枝に亘り、高精細な立体構築像を得ることができ、GFP遺伝子導入後の生細胞を用いた細胞観察の準備としては、十分な結果が得られた。(781字)
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Research Products
(12 results)