2005 Fiscal Year Annual Research Report
EU拡大後のエストニア・ラトヴィアにおける国家統合と複合民族社会形成に関する研究
Project/Area Number |
17251003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
橋本 伸也 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30212137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 郁 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40194617)
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 教授 (30239264)
志摩 園子 昭和女子大学, 人間社会学部, 教授 (80192607)
小森 宏美 国立民俗学博物館, 地域研究企画交流センター, 助手 (50353454)
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Keywords | EU拡大 / エストニア / ラトヴィア / 国家統合 / 複合民族社会形成 / ロシア語話者 / 教育改革 / マイノリティの権利 |
Research Abstract |
(1)国内において2005年7月と12月に研究会を開催し、エストニア・ラトヴィア両国の教育改革動向、少数民族枠組み条約の批准及びモニタリング、バルト諸国の地政学的位置とその多元性、等のテーマで報告を受けて議論するとともに、本年度のフィールドワークの計画及びその結果のとりまとめを行った。 (2)2005年9-10月にエストニア・ラトヴィア両国においてフィールドワークを実施し、経済省・教育省等の政府機関、地方機関、統合政策実施機関、学校、人権問題NGO等での聞き取り調査を行った。今年度はとりわけ、ラトヴィアでは2004年実施のロシア語系中等学校における教授言語改革の成否について、改革実施一年を経た時点での政府・教育省及び学校現場、さらに反対運動参加者の認識把握に務めた。また、エストニアでは、ロシア連邦との国境都市で、ロシア語話者住民が圧倒的多数を占めるナルヴァ市の現況調査を集中的に行い、市政府および議会、市内所在の複数の学校や就学前教育機関においてインタヴューを実施した。ここでは、2007年に予定されているロシア語系中等学校における教授言語改革にむけた準備状況の掌握が大きな課題であった。 (3)国際会議"Expanding Borders : Communities and Identities"(2005年11月9-12日、ラトヴィア大学)に出席して、対ロシア国境問題とアイデンティティについて、他の東中欧諸国との対比や対EUのみならず対NATO関係といった視点から討議に参加した。 (4)2006年1-2月にウィーンおよびプラハ所在の国際機関(欧州安全保障協力機構等)や国際関係研究機関において、EU加盟プロセスでの各種欧州国際機関の関与の実態、東中欧諸国との対比でのエストニア・ラトヴィア両国の位置づけについてインタヴューを実施した。また、プラハ在住の外国人共同研究者との研究交流を実施した。 (5)2006年前半の中間報告書刊行に向けて準備中である。
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