2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17251006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 剛 Osaka University, 文学研究科, 教授 (30145099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 茂 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30087150)
稲田 清一 甲南大学, 文学部, 教授 (60221777)
荒武 達朗 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (60314829)
田口 宏二朗 追手門学院大学, 国際教養学部, 講師 (50362637)
濱島 敦俊 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (40012976)
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Keywords | 東洋史 / 地図学・地理学 / 土地調査 / 地形図・地籍図 / 技術移転 / 農村社会 / 開発史 |
Research Abstract |
本課題の主要資料である「広東省田畝調査冊」の作成経緯のうち、この調査を企画した広東省政府の意図については17年度に解明済みである。ただし本課題が予定しているフィールドワークに本調査冊を活用するには、調査冊の作成を実際に担当した「郷」レベルにおけるバイアスの有無を解明する必要がある。そこで本年度、関連資料を新たに収集・分析し、バイアスのある事例が存在する;バイアスの有無やその性格は郷ごとに異なる;バイアスの具体的背景が判明する郷の場合、この点を考慮すれば、調査冊所載データをフィールドワークに有効利用できる;等の結論を得た。この分析結果にもとづき、フィールドワークを行う農村を確定して20年度への繰越金によって平成21年1月に実施し、旧中国における「団体としての村」の実在等の多大の成果を得た。分担者小林は、日本内地を起点として、沖縄、台湾、朝鮮半島、そして中国大陸へと展開されていく近代東アジアの土地調査事業において、三角測量等を利用した本格的近代測量の方法と技術が、沖縄での調査事業を画期とする点を解明した。また分担者荒武の監修のもと、中国大陸の土地調査事業に影響を与えた、ドイツ統治下の山東半島の地政に関する資料の翻訳(その一)が刊行された。今後、その影響の具体相が解明されていくこととなる。海外からのコメンテータも招聘し、ワークショップ「第2回近代東アジア土地調査事業研究」を開催し、4名が19年11月までの成果を報告し、ゲスト6名がコメントした。「村の境界」に関する報告をめぐっては、中国農村社会の性格についての基本問題に改めて注目したものとして種々の見解が出された。ワークショップの詳細はニューズレター第3号に掲載されている。なお、本ワークショップへの参加希望者が地理学・歴史学のみならず、農業経済学等にも広がりつつあることは、本課題が学際的研究として展開していることを示している。
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Research Products
(10 results)