2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国農村における貧困発生のメカニズムとその対策にかんする社会経済的研究
Project/Area Number |
17252003
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中兼 和津次 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80114958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 弘之 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70152741)
佐藤 宏 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50211280)
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)
阿古 智子 姫路獨協大学, 外国語学部, 助教授 (80388842)
新保 敦子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90195769)
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Keywords | 経済事情 / 貧困研究 / 援助研究 / 農村教育 |
Research Abstract |
今年度は本研究事業の第1年度目であるので、まず国内において3回にわたり研究会を開き、各自の問題関心を述べ合うとともに、この調査研究事業の基本的方針について確認し合った。同時に、研究協力機関である雲南省社会科学院社会学研究所に委託する農家調査について細かい議論を行った。その議論に基づき、まずわれわれの調査原案を作成し、雲南側に手渡し、8月に代表者以下3人が予備折衝に昆明に行った際に、その案について雲南側と議論し、先方の修正意見を取り入れて、国内に持ち帰り、再び研究会を開いて調査原案に多くの修正を施した。この修正調査案は雲南側に送られ、それに基づいて雲南側が同省の代表的貧困県のひとつである金平県の3か村320戸に対して雲南民族学院の教員・院生を多数動員して農家調査を実施し、その結果は1月までに入力を終了し、添付ファイルにて日本側に送られてきた。12月末には代表者以下7人が金平県に行き、県の貧困状況と対策にかんして県の幹部から事情聴取し、併せて金平県のいくつかの地域における貧困状況とそれに対する援助事業の実態について調査した。 11月にはたまたま首都大学東京に客員研究員として来ていた西北第2民族学院経済管理系の範建栄氏を招いて、中国西北地区における貧困問題についてヒヤリングを行った。 2月末には代表者以下4人が甘粛省蘭州市と寧夏回族自治区銀川市を訪れ、中国西北地区における代表的貧困地域の事情とそこにおける実態調査の可能性について甘粛省社会科学院ならびに西北第2民族学院の関係者と議論を行い、彼らの協力の下にこれらの地域の貧困農村において雲南で実施したのと同様な農家調査を行う方向で原則的に意見の一致を見た。その議論には雲南省社会科学院から喬亨瑞教授も参加し、日本側と雲南、それに甘粛、寧夏の4つの研究グループが協力してこの研究事業を進めることの意義について共通の理解を得ることができた。
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