2007 Fiscal Year Annual Research Report
院朝・太廟・隆徳殿の修復計画ヴィエトナム文化遺産(建造物)の保存に関する技術移転の確立と国際協力
Project/Area Number |
17254004
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Research Institution | Institute of Technologists |
Principal Investigator |
白井 裕泰 Institute of Technologists, 技能工芸学部, 教授 (40258926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文男 創造学園大学, 芸術学部, 准教授 (30406326)
小野 泰 ものつくり大学, 機能工芸学部, 准教授 (80364884)
藤田 香織 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20322349)
横山 晋一 ものつくり大学, 技能工芸学部, 准教授 (20406614)
六反田 千恵 共栄学園短期大学, その他(住居学科), 講師 (40269353)
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Keywords | ヴィエトナム / フエ / 阮朝王宮建築 / 隆徳殿 / 修復計画 / 部材修理 / 基壇修理 / 家具調査 |
Research Abstract |
1.平成19年5月〜7月に隆徳殿の復原設計を検討し、7月15日〜17日にフエ遺跡保存センターと事前の打合せを行った。2.第5次調査が、平成19年8月16日から9月14日まで行われ、隆徳殿の基壇調査、原寸図の作成、人工木材を使用した柱の修理、ケオ・トェン木鼻の拓本採取、番付および仕口の補充調査を行った。また関連調査として、肇祖廟の補充調査、昭敬殿の基壇調査、王宮内の家具調査を行った。原寸図の作成によって、今後の復原修理の基準を設定することができた。また人工木材を使用した部材修理によって、これまで取り替えざるを得なかった部材を再用することが可能になった。この試みはヴィエトナムの文化財建造物修理において、歴史に残る画期的な出来事であった。3.平成20年1月4日から12日まで、臨時調査として、人工木材によるケオの修理を行い、フエ遺跡保存センターと第6次調査の事前打合せを行った。4.第6次調査が、平成20年2月25日から3月25日まで行われ、隆徳殿の基壇修理、柱・ケオ・頭貫の修理が行われ、ほぼ修理を完了した。また王宮内にある瓦の焼き窯内部の温度を計測した結果、窯内部の最高温度は960度であることがわかった。今回の基壇修理において、内側礎石の下に、新たに80cm×80cm×75cmの煉瓦積み独立基礎を設置した。これは修理前の礎石が80cm厚の基壇砂地盤に置かれていた構造的弱点を改良したものである。以上、今年度の修理および調査実績によって、平成20年度の隆徳殿の復原組立が可能になった。
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Research Products
(8 results)