2006 Fiscal Year Annual Research Report
インド・ミゾラム州における竹類ムーリーの大面積開花に関する生態的研究
Project/Area Number |
17255007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 昌三 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (50211959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 護 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183291)
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源学部, 助教授 (60315596)
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 助教授 (60282315)
箕口 秀夫 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (30291355)
長谷川 尚史 京都大学, 農学研究科, 助手 (70263134)
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Keywords | 開花 / 竹 / 生態 / DNA / ネズミ / 焼畑 / 結実 / インド |
Research Abstract |
平成18年度はその後半が調査対象である竹類ムーリーの開花が始まる年であった。生態的変化を把握するためにミゾラム州サイランに設定した調査区では、5月に開花前の最後の竹林の状態把握のための調査を行ったほか、11月に開花が始まった竹林における動態を定期的に追跡した。また、開花開始以後は定期的に花序の発達状況を、開花過程がほぼ終了した2月以降の結実過程においては実の発達状況を経時的に追跡した。開花結実は前年度に得られたクローンマップから認められた調査地内の26のクローンすべてにおいて認められ、竹において一般的に認められるとされる開花の同調性が再確認された。その一方で、すべての稈が開花枯死するのではなく、わずかな稈は開花せず、生残することも確認された。また、結実過程および実散布の後に引き続いて起こると予想される実生生育過程とネズミの影響に関する考察を行うためにネズミ排除区の設定を行った。 ミゾラム州マミットに設定された焼畑地におけるムーリーの動態把握に関する複数の調査区では、前年度調査を行った調査区での継続調査を行い、ムーリーが焼畑耕作に対してどのようなレスポンスを示すのかに関するデータの蓄積を継続した。また、開花開始後は、開花結実過程の途中で伐採・火入れが行われることに注目し、開花が焼畑農耕に与える影響、逆に焼畑行為が開花ムーリーの再生に与える影響を把握するための調査を開始した。これらの調査は開花、結実、回復過程を通じて継続的に追跡した後に報告を行う予定である。 なお、平成17年度に得られた焼畑地におけるムーリーの焼畑に対する適応に関する調査結果は平成18年度の日本森林学会全国大会において発表した。
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