2007 Fiscal Year Annual Research Report
インド・ミゾラム州における竹類ムーリーの大面積開花に関する生態的研究
Project/Area Number |
17255007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 昌三 Kyoto University, フィールド科学教育研究センター, 教授 (50211959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 護 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70183291)
長谷川 尚史 京都大学, 農学研究科, 助教 (70263134)
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学科, 教授 (60315596)
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60282315)
箕口 秀夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30291355)
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Keywords | 竹類ムーリー / 大面積開花 / 開花様式 / 実生回復 / DNA解析 / ネズミ個体群動態 / 焼畑地 / 広域的調査 |
Research Abstract |
2006年度後半に大面積に開花枯死したムーリーは2007年度当初から種子の成熟段階に入り、雨期である6月には種子散布の段階に入った。2007年度の研究計画では、1.種子の成熟過程の追跡、2.その後の実生生育段階の生態的調査に基づく追跡、3.実生の供給に対するネズミ個体群動態の変化の把握、4.焼畑地におけるムーリーの焼畑耕作に対するふるまい、及び5.広域的に見たムーリーの大面積開花状況の把握であった。 2006年度末から2007年度当初にかけて続いた1.に関しては、本種の花は雄性両全同株型の開花形態を持つことが明らかになり、雄的な振る舞いをする花と種子を結実させる花が一つの稈の中で場所と開花期を違えて開花する一方で、花自体は自家和合性であることが判明した。2.に関しては秋までの間に世代交代が起こり、親世代に3万本/ha程度であった調査地の状況が、秋には10万本/ha程度の高密度の実生群落に置き換わった。また、一部には未開花の稈が確認されたが、これらは秋の段階で一年遅れて開花することが確認された。実生個体に関しては生態的調査に加えて、すべての個体から葉を採取し、クローンマップを作成するために現在DNA解析を行っている。3.に関しては秋にネズミの増加が認められ、個体群に開花が大きなインパクトを与えることが確認された。4.に関しては焼畑地では前年耕作地で開花が遅れることが確認された。5.に関しては、ミゾラム州全体で見ると、今回の調査地のタイミングで開花する系統の他に、東側に1年早く開花する系統が、西側に一年遅れて開花する系統が存在することが確認された。
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Research Products
(6 results)