2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本と北ユーラシアのウイルス性人獣共通感染症の比較疫学的研究
Project/Area Number |
17255009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
前田 秋彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70333359)
有川 二郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
橋本 信夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 名誉教授 (60082103)
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Keywords | ウエストナイル熱 / ダニ媒介性脳炎 / ハンタウイルス感染症 / 北ユーラシア / 極東ロシア |
Research Abstract |
1)ウエストナイル熱 診断法の開発:リアルタイムPCR法を用いてウエストナイルウイルスと日本脳炎ウイルスの鑑別を行うことのできるReal-time PCRによる遺伝子診断法を開発した。本法において、ウエストナイルウイルスと日本脳炎のC蛋白領域に存在する共通配列をプローブとし、特異的プライマーにより特異性を確保した。本法により0.1PFUのウエストナイルウイルスを検出可能であった。 2)ダニ媒介性脳炎 診断法の開発:感染性のない準ウイルス粒子をELISAに応用しヒト用のIgGとIgM抗体検出用の血清診断法を開発した。本法は中和試験と比べ、高い感度と特異度を有しており、中和試験に代る安全な血清診断法として有用と考えられた。 ウイルス粒子組立てと分泌に関する解析:準ウイルス粒子の分泌系を用いてE-タンパクの糖鎖付加が準ウイルス粒子の組立てと分泌に影響することを示した。ダニ媒介性脳炎ウイルスのレプリコンを内包したウイルス様粒子を分泌させることに成功し、さらに緑色蛍光物質やネオマイシン耐性遺伝子をレプリコンに組み込み、ウイルス様粒子内にパッケージングできたので、外来遺伝子の導入と発現が可能となった。 3)ハンタウイルス感染症 診断法の開発:ハンタウイルスの血清型に特異的なN蛋白上のエピトープを用いた血清抗体スクリーニング法を開発した。本法により患者の感染ウイルスの型を血清抗体検査により推定可能となった。Puumala型ハンタウイルスのReal-time PCRによる遺伝子検査法とELISAによる抗原検出系を開発し、これらの方法を用いてPuumala型ウイルスの感染モデルを構築した。本モデルはワクチンや抗ウイルス薬の評価に利用可能である。
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Research Products
(5 results)