2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本と北ユーラシアのウイルス性人獣共通感染症の比較疫学的研究
Project/Area Number |
17255009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (30002083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅和 宏明 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (70224714)
前田 秋彦 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (70333359)
有川 二郎 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (10142704)
橋本 信夫 北海道大学, 名誉教授 (60082103)
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Keywords | ウエストナイル熱 / ダニ媒介性脳炎 / ハンタウイルス感染症 / 北ユーラシア / 極東アジア |
Research Abstract |
1)ウエストナイル熱: ウエストナイルウイルスのE-タンパク糖鎖付加親株と糖鎖欠損変異株のマウス腹腔内マクロファージへの感染時のサイトカインの産生を調べた。TNFαとインターロイキン-βは糖鎖付加ウイルスの増殖により産生が増強された。糖鎖付加ウイルスの毒力発現にこれらのサイトカイン産生増強が関係していることが示唆された。 2)ダニ媒介性脳炎(TBE): 北海道で分離されたTBEウイルスOshima株の準ウイルス様粒子を用いてヒト用のELISAによる血清診断法を開発した。IgG-ELISAは敏感度98.8%(82/83)、特異度100%(12/12)を示した。IgM-ELISAでは中和試験陽性の17検体のうち16検体が陽性であり、さらに判定不能の15検体のうち11検体を陽性と判定できた。 3)ハンタウイルス感染症 診断法の開発:アジアにおけるハンタウイルス感染症の流行を診断するために、新に2種類のハンタウイルス(ThailandおよびThottapalayamウイルス)の血清診断用NP抗原を発現させた。これを用いてELISAによる血清診断法を開発した。 疫学調査:アジアの不明熱患者の調査でタイではThottapalayamウイルスに、ベトナムではソウルウイルスに、インドではThailandウイルスに対して各々抗体陽性例を検出した。 韓国において野生げっ歯類を捕獲し、抗体調査とウイルス分離を実施し、分離ウイルスの抗原性と遺伝子性状を解析した。今回新にハントウアカネズミが新しい亜型のSoochongウイルスを保有し、このウイルスがヒトの劇症の腎症候性出血熱の原因となっていることが判明した。
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Research Products
(5 results)