2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子情報組合せ論に基づく最適化とその量子情報科学基礎拡張の研究
Project/Area Number |
17300001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 園子 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (20361537)
|
Keywords | 量子情報 / 量子計算 / 量子組合せ論 / 最適化 / 離散幾何 |
Research Abstract |
研究最終年度にあたり,従来の研究成果をまとめるとともに,本科研費で構成した計算環境と理論展開によって今後のさらなる発展を図る土台も築くことができ,量子情報の大規模最適化問題,量子情報空間での近接関係解析,量子非局所性と最適化について成果をあげた。 具体的には,昨年度から引き続き量子情報幾何空間での計算幾何について研究を進め,これまでに得た量子情報Voronoi図の応用として量子通信路容量計算をこの空間での量子ダイバージェンスに関する最小包含球の問題として解決できることを示し,本年度の成果発表として有限離散化近似がが必要な部分についての誤差解析をISVDというVoronoi図に関する国際会議で発表した。計算幾何の観点から量子情報空間での最小包含球を求める考察もしており,3レベルの量子状態を伝送した際の量子通信路容量を具体的に数値計算も実施し,これらは今後発表していく予定である。 量子非局所性に関する研究では,一般化Bell不等式に対する基礎理論をMathematical Programmingという数理計画で第一級のジャーナルに発表した。これにより,統一的に一般化Bell不等式と一般化Bell相関不等式を求める枠組みを与えた。さらに最適化の観点から研究を進め,これらのBell不等式が量子効果により破れる最大値を求めることについて新しい観点を与えた。これは,我々のグループで独自に研究していた2証明者1ラウンド対話証明とその半定値計画による近似解法の研究が,まさにこの問題に対応していることを証明することによって導入に成功し,その成果をMEMICS国際会議で発表することもできた。現時点で得られた成果は,一般Bell相関不等式の場合は厳密に最大値を,一般Bell不等式についてはその上限を与えるところまでであるが,今後量子最大破れを求める問題の計算量を明らかにしていくことが期待でき,研究は大いに前進した。この成果を土台として,対話証明の枠組みを活用して,量子マルチパーティプロトコルへ発展させることについても今後研究を進める。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 幾何構造の組合せ原理2008
Author(s)
森山 園子(invited)
Organizer
「ミクロの形・マクロの形」研究集会
Place of Presentation
明治大学先端数理科学インスティテユート
Year and Date
2008-03-04
-
-
-
-
-