Research Abstract |
インターネットの負荷変動に動的に適応し,最適な情報共有配信に向けてトポロジーを自律的に再構成するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の実現に向け,本年度は3年計画の最終年であり,前年度までの成果を踏まえて,システム統合化の推進,および詳細な実験評価に焦点をあてて,以下のような研究成果をあげた。(1)自律的ネットワーク遷移方式について,これまで単一のオーバーレイネットワークのみに留まっていたのを,複数が共存する場合の協調や競合解消について方式を考案して設計し,プロトタイプ実装を行って実験で効果を確認した。成果は論文2件(他に投稿準備中1件)として結実した。(2)ネットワークの効率的な信頼性確保方式について引き続き研究を進め,成果は論文2件(他に投稿準備中1件)として結実した。(3)研究室内に構築した分散ネットワーク実験システムを用いて,詳細な実験評価を行った。(4)このようなネットワークの設計方法について検討を進め,形式仕様からの導出手法について端緒を開いた。成果は論文2件(他に投稿準備中1件)として結実した。(5)このような動的ネットワークを仮想マシン技術で構築する手法について検討を行い,基本的な見通しを得た。成果は論文1件として結実した。以上も含む3年間の成果はより高性能で適応性に優れたインターネット情報共有・配信技術の実現に向けた研究として,国内外とも極めて高い評価を得ているものと自負している。具体的には,上記の学術的成果にとどまらず,世界で最も定評ある出版社の一つから依頼を受けて関連分野の専門英文教科書を分担執筆,一方で,インターネット情報配信プロジェクトと連携,コンテンツプロバイダ企業と共同硬究など,教育研究や産学連携の様々な方面で結実、発展しつつある。
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