2005 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域ユビキタス環境のための移動透過ネットワークアーキテクチャの研究
Project/Area Number |
17300019
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
相原 玲二 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (50184023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 浩二 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助手 (90263673)
岸場 清悟 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助手 (30274137)
田島 浩一 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助手 (50325205)
|
Keywords | 移動透過通信 / ネットワークアーキテクチャ / モバイルネットワーク / ハンドオーバ / ストリーム伝送 |
Research Abstract |
モバイルコンピューティング環境の発展により,移動透過性,すなわちコンピュータなどの接続機器(ノード)がそれまでと異なるネットワーク配下に移動しても通信を継続する機能が要求されている.現在の標準的ネットワークプロトコルであるTCP/IPはこの機能を持たない.本研究では期間内に,広帯域通信に適した移動透過性を実現する新たな方式を提案し,ノード単体の移動のみならず,複数ノードが接続したネットワーク全体が移動する「移動ネットワーク」にも適用可能な方式を提案し,プロトタイプの試作および実証実験を通して提案方式の性能を定量的に評価する. 平成17年度は,研究代表者らが独自に提案している移動透過アーキテクチャMAT(Mobile IP with Address Translation)を基に,移動ネットワークに対応するプロトコル設計および開発を行った.MATはアプリケーションなど上位層で取り扱うIPアドレスを機器固有の識別子(ホームアドレス),下位層でのIPアドレスを現在位置を示す識別子(モバイルアドレス)と位置付け,通信時にノード内で対応する識別子の交換(アドレス変換)を行う方式である.移動ネットワーク配下に接続されるものとして,(1)MAT非対応ノード,(2)MAT対応ノード(移動ノード),(3)移動ネットワークが考えられる.これらすべての場合に対し,良好な移動透過性を提供可能なアーキテクチャMAT-MONETの設計を行った.同時に,移動ネットワークを実現する既存方式であるNEMO(Network Mobility)等との比較を行った.さらに,設計したアーキテクチャおよびプロトコルの有効性を確認するため,PC UNIX(Linux)を利用して,プロトタイプシステムの実装を行い,広帯域リアルタイム映像(約30Mbps)を伝送した状態でネットワーク切り替え(ハンドオーバ)を行っても,途切れることなく伝送を継続できることを示した. これら研究成果を踏まえ,最終年度となる平成18年度は,より広帯域通信を取り扱えるよう基本アーキテクチャの改良を行うとともに無線ネットワークへの適用を検討する.
|
Research Products
(4 results)