2006 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル領域多重解像度処理マルチプロセッサに関する研究
Project/Area Number |
17300025
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西谷 隆夫 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (00389206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 誠 高知工科大学, 情報システム工学科, 教授 (60232683)
酒居 恵一 高知工科大学, 情報システム工学科, 講師 (90274117)
|
Keywords | システムオンチップ / 計算機システム / アルゴリズム@ |
Research Abstract |
昨年度検討したアルゴリズムとアーキテクチャをさらに深めた。複雑な処理に耐えうる高速低電力プロセッサアーキテクチャを確立することが主題である。このため、昨年に続き縮小画像による画像強調をさらに進めた。昨年度の段階で、縮小画像化する段階での劣化が大きいことは明確であった。本年度は縮小化する段階での劣化を軽減する方向で検討した。カラー画像強調に関しては一案を得て実行し主観評価を行って効果を確認した。この結果は電子情報通信学会信号処理シンポジウム(2006年11月)で報告した。主観評価のため照度計、標準照明、色見本などを購入したことが物品予算増となっている。アーキテクチャに繋がるアルゴリズム開発としては、これまでの画像自体を縮小化するより全体画像内の注目すべき領域を限定して切り出すほうが得策であると判断した。このため、アルゴリズムとしては全体画像内の重要オブジェクトを検出してそれらをセグメンテーションする方向に注力した。ただし、ここでも多重解像でのセグメンテーションを行うべきという確信のもとに検討を行い、動画像に対する効率的で正確なセグメンテーション用方式を複数分解能に展開して実行したところ良い結果を得た。その第1報を電子情報通信学会の総合全国大会(2007年3月)で発表している。ただしまだまだ初歩的であり、来年度にその成果をまとめたい。 マルチプロセサアーキテクチャも全体画像を縮小化して効率を上げる方法から、セグメンテーション向けに修正することにした。具体的にはこれまで検討してきたリニアアレー形バス構造SIMDプロセサに隣接プロセサ間通信を付加する方式(2005年11月、電子情報通信学会SPS研究会資料)から2次元アレープロセサへ変更を行った。このようにしても概算では初期の目標である500mW以下の消費電力で1テラオペレーションプロセサを作れるという根拠を見つけたからでもある。これは1980年代のDSPを500個〜1000個チップ上に載せても、クロック周波数を当時のままに据え置くことで実現できる。DSP間はシストリックアレー結合するが、使用するクロック周波数が低いのでシストリックアレーのノードをバイパスさせる方式を導入してこれまでのシストリックアレーの限界(動き保証のようなASIC機能の実現には良いが汎用には不向き)を打破した。まだまだ初歩的段階であるが、この成果をVPQM' 07(IEEE SP Societyの主催を申請中、現在はフェニックスに研究所を持っインテルが主催、2007年1月)で発表するとともに、電子情報通信学会CAS研究会でも報告を行った。現在特許出願手続き中である。現在、このアーキテクチャに基づいてFPGAでマルチプロセッサを設計中である。本年度の物品予算は元々FPGAベースのハイブリッドエミュレータ2セットとハードウェアの検証用にPCベースのシンクロスコープやロジックステートアナライザを予定していたため、予算執行は計画通りである。
|
Research Products
(6 results)