2007 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラビリティと耐故障性を持つサーバシステムの構成法に関する研究
Project/Area Number |
17300026
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
松本 尚 National Institute of Informatics, アーキテクチャ科学研究系, 准教授 (70240728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 正一郎 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (50092119)
並木 美太郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10208077)
中條 拓伯 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80217736)
藤野 貴之 近畿大学, 工学部・電子情報工学科, 講師 (60300703)
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Keywords | 計算機システム / ディペンダブルコンピューティング / オペレーティングシステム / スケーラビリティ / 耐故障性 / 冗長多重実行 |
Research Abstract |
ディペンダブル・コンピューティング基盤構築のための分散資源の透明性と移送を確保するための方式の確立に関する研究を実施した。本研究では、プロセスおよび各種資源のすべてをネットワーク上で完全に継続可能なプロセスおよび資源管理モデルを考察すると同時に、高性能でスケーラブルな分散資源管理モデルと機構を解明する。従来より、SSS-PCオペレーティングのシステムアーキテクチャにより、複数のノードを一つのUNIXシステムに仮想化する方式を提案・実証し、スケーラブルで移送可能なプロセスの機構を解明してきた。平成17年度の研究成果の一つとして任意個数のUNIXの世界(UNIXドメイン)をシステム上に実現可能にした。さらに、三つのTCPプロトコルスタックが協調して通信を行う高信頼プロトコルスタックを実現した。本年度前半は、このプロトコルスタックを利用した高信頼ファイルサーバシステムを試験実装した。同じ動作を行うファイルサーバプログラムを三つのノードで冗長多重実行させて、高信頼プロトコルスタックを通じて、外部のクライアントと通信を行い、プログラムが動いているノードのうちの一つが故障してもサービスを提供し続けられることを実証した。しかし、この試作実装を通して、冗長多重実行における名前空間の重複が問題であることが明らかとなり、原理的な解決には、多重実行の各プログラムを名前空間上では独立した存在として扱う必要があると結論した。このため、平成19年度の後半には、UNIXドメインによる仮想化を充実させて、多重実行の各プログラム実行をそれぞれ別の仮想化されたUNIXドメイン上で実現する方式に実行方式を切り替えた。時間切れによって、汎用の冗長多重実行フレームワークの実装にまでは至らなかった。今後、研究を継続して冗長多重実行フレームワークの完成を目指す。
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Research Products
(3 results)