2006 Fiscal Year Annual Research Report
情報感度特性に基づく3次元物体のスケーラブル表現とその利用に関する研究
Project/Area Number |
17300033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長橋 宏 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20143084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 逸夫 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70186469)
諸岡 健一 九州大学, デジタルメディシンイニシアティブ, 助教授 (80323806)
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Keywords | モデル統合 / 確信度分布 / 統計的形状特性 / メッシュ細分割 / スケール空間 / 物体のクロスパラメータ化 / 形状変形 / 物体の情報感度特牲 |
Research Abstract |
初めに、異なる解像度で計測された物体モデルを統合する方法について研究を行った。まずセンサと計測対象物との位置関係に応じた計測データの信頼度をモデル化するために、センサモデルに基づく計測空間の確信度分布と、点広がりモデルに基づく計測空間の確信度分布を定義し、この2つの確信度分布を統合することで、計測点の信頼度を統一的に表現する手法を提案した。そして、得られた異なる解像度のデータの統合法として、用途に応じて複数の方法があることを示し、それぞれの統合手法の有効性を実験的に明らかにした。 次に、同じ材質特性を持つ物体の表面形状表現法に関して、スケール空間で物体形状表現を行う新しい方法を提案した。この提案方法では、局部的に高い解像度で計測したデータの統計的形状特性を解析し、その結果に基づいて低い解像度の計測データの細分割を行う。この方法は、従来提案されているメッシュの細分割法が曲率のみを考慮しているのに対して、局所的ながらも、高い解像度での計測データの統計的な性質を求め、これに基づいて確率的に面の細分割と形状構成を行うことで、細分割法で問題となる滑らか過ぎる曲面生成という不自然さを回避することが可能となった。これによって、物体全体が高い解像度で計測されていない場合でも、あたかも高い解像度表現が行われているような表現生成を行うことができるようになり、物体観測という操作において、スケール空間でwalk throughする環境の構築が可能となる。 また、物体の情報感度特性を調べる研究として、特定の物体を連想しない(例えば、球体など)形状から、ある特定の物体モデルへ実時間で変形していく過程を被験者に提示し、どの段階でその物体を認知したかを調べる心理実験をおこなった。実験の結果、人間が認知に要する時間が物体によって異なること、同一物体では認知に要する時間にあまり個人差がないことも明らかとなった。この実験を行うにあたり、メッシュモデルの変形を扱う新しいクロスパラメータ化の技術も開発して利用した。このクロスパラメータ化の手法は、3次元モーフィングや動作のコピーなど、様々な応用に対しても有効であることを示した。
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Research Products
(6 results)