2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体の薬物代謝酵素を利用した、デバイスアレイ型人工嗅覚システムの開発
Project/Area Number |
17300058
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00211798)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教務職員 (00205668)
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (70329118)
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Keywords | ニコチン / 酵素阻害 / 免疫計測 / 大腸菌 / SPR / 蛍光計測 |
Research Abstract |
18年度には(1)テーラメード型嗅覚システムの基礎研究と(2)嗅覚アレイ化用マイクロデバイスの検討実験を実施した。 (1)匂い計測において任意の気相系の物質を選択的に計測することがテーラメード型嗅覚システムには重要である。これまでの酵素を利用した計測方法以外に、酵素への阻害機能を利用したニコチン計測用センサと免疫機能を利用した連続計測の基礎実験を行った。 ニコチンはタバコの煙に含まれる有害物質の一つで、作業環境における許容濃度は米国ACGIHにより0.075ppmと定められている。ニコチンは神経伝達系において、各種コリンエステラーゼなどの酵素反応を阻害することが報告されている。そこで、ブチリルコリンエステラーゼを用いたニコチン用センサを作製し、気相計測に適用した。その結果、許容濃度0.075ppmを含む0.01-1.0ppmの範囲でニコチンを定量可能であった。 また免疫機能を使った気相成分の連続計測を目的として、側面にエバネッセント波が生じる光ファイバを利用して、サンプルフロー送液が可能な蛍光免疫計測系を開発し、連続測定が可能な免疫計測法を開発した。対象抗原としては、気相環境への浮遊が懸念される病原性大腸菌0157:H7とした。本システムにて免疫計測を行った結果、大腸菌0157:H7(10^7cells/ml)の繰り返し検出が可能であった。本システムを気相系に利用することで、免疫機能を利用したテーラメード型人工嗅覚へと展開できる。 (2)人工嗅覚のアレイ化において、高感度且つ多チャンネル化が可能な光学計測デバイス2種を導入し検討を行った。まず表面プラズモン共鳴(SPR)システムを導入し、本システムでの気相系バイオアッセイが行えるように気液セルを別途作製し、まず液相でのバイオアッセイの評価を実施した。またUV-LED光源を別途導入し、光ファイバ式蛍光バイオスニファの試作を実施した。
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Research Products
(6 results)