2006 Fiscal Year Annual Research Report
インシデント・テキストが介在する半自律リスク・アセスメント・システム
Project/Area Number |
17300067
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technolog |
Principal Investigator |
山田 陽滋 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究グループ長 (90166744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾暮 拓也 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (60415651)
YOON Seong-Sik 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, ポストドクトラル研究員 (10443235)
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Keywords | ヒューマンエラー / ハザード / 隠れマルコフモデル / 予測器 / インシデントレポート / マルチモーダル情報 / M-SHELモデル / スキルアシスト |
Research Abstract |
本研究は,生産現場における繰り返し作業を対象とし,ハザードが予め同定されているという条件の下で,作業に潜むリスクを知覚し評価するまでの一連のリスクアセスメント・プロセスを自動化することを目的とした. 研究計画2年度目は,まず,実験機であるスキルアシスト(SA)の作業軌跡速度と操作力のパターン情報から,隠れマルコフモデル(HMM)を用いてハザードポイント(HP)に対する衝突あるいは非衝突の判定を従来技術に比べてさらに早いタイミングで行うことのできる位置/速度の予測器を開発した.これは,SAの現在の位置および操作力情報のみならず,そのダイナミクスとインピーダンス制御の状態方程式を利用するもので,未来の時刻での望ましい状態(位置および速度)をHMM分類器の入力として利用できるようにするものである.これを用いてその後,実作業時に入力される位置および力情報に対して,確率的に衝突,非衝突を判定できるようになった. つぎに,インシデントレポートのWeb入力支援ツールを開発した.このツールはダイナミックHTMLとマルチメディア統合言語「SMIL」を連携させたものである.これにより現場の映像等のマルチモーダル情報に対して,そのタイムライン上にインシデントを構成する逸脱とそれらの原因系のM-SHELモデル表現を記述することが可能になった. 最後に,SAの位置および力の検出機構をすべて2重化してその安全性を高めた上で,これを用いた実搭載作業を対象とし,研究計画に記したHP近傍のボリウムを調整することと等価な予測時間の長さ調整により,インシデントを生じないようにシステムが収束することを確認する実験を行った.その結果,HP近傍の半径2.2cmで予測時間0の条件が適するとの結果を得た.予測器の有効性をさらに検証するためには,より危険なHP近傍半径2.2cm未満にして再実験する必要があり,今後の課題とされた.
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