2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300069
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
郷原 一寿 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (40153746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 努 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70356575)
永山 昌史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70374585)
塩谷 浩之 室蘭工業大学, 工学部情報工学科, 准教授 (90271642)
|
Keywords | 非線形ダイナミクス / フラクタル / 階層性 / 培養ニューロン / 多電極システム |
Research Abstract |
理論的検討、実験的検討、総括および今後に対する検討を行った。 1.理論的検討 切換ダイナミクスの観点から、線形力学系および統計的縮小性を仮定できる非線形力学系に対するマルチフラクタル解析を行い、定量的な結果を得た。 2.実験的検討 時間ダイナミクスについては、1ケ月間に渡って、64極からのインパルス列が測定可能となり、自励発火・同期・バーストなどの信号が記録可能となった。空間ダイナミクスについては、光学顕微鏡を用いたタイムラプスシステムによって、ネットワーク形成を連続的に記録出来るようになった。また、免疫蛍光染色によって、核・軸策・樹状突起・グリア細胞を識別できる目処を付けることができた。 3.総括および今後に対する検討 多電極プローブ上で分散培養したニューロンを用いて、ニューラルネットワークの時間と空間のダイナミクスを計測し制御するという研究方向が科学的にも技術的にも大きな可能性を持っていることが明確になった。今後は、さらに実験システムを充実させ、神経回路網が形成される前の初期段階から1カ月後までの発達期、1年におよぶ長期のダイナミクスの時間的・空間的変化の計測と制御に関する技術を確立する。そして、理論を展開するためにも必要となるウェットな培養神経回路網の実験系を構築し、構築した実験系を理論家に広く開放して、理論と実験を接続するプラットフォームとする。さらに、マルチスケールな時間・空間ダイナミクスに注目した、脳情報処理の新たな研究領域および新しい学問分野を開拓することを目指す。
|
Research Products
(10 results)