2005 Fiscal Year Annual Research Report
多様性と収束性のバランスを自動調整する進化型多目的最適化アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
17300075
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石渕 久生 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60193356)
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Keywords | 進化型計算 / 遺伝的アルゴリズム / 多目的最適化 / 進化型多目的最適化 / 遺伝的局所探索 / ハイブリッドアルゴリズム / 収束性 / 多様性 |
Research Abstract |
多様性と収束性のバランスを自動調整するメカニズムを開発するための準備として,代表的な進化型多目的最適化アルゴリズムであるNSGA-IIを多目的最適化問題に適用し,個体群に含まれる重複解の数を調べた,多目的関数最適化問題に対する数値実験では重複解がほとんど存在しないのに対して,多目的組合せ最適化問題に対する数値実験では多数の重複解が存在するという結果が得られた. 重複解に関する数値実験結果に基づき,目的関数空間で重複する個体の削除および決定変数空間で重複する個体の削除の効果を調べた.重複解の削除は,重複解を含まない初期個体群の生成および重複する複数の個体を次世代に残さない世代更新で実現される.重複解の削除は,個体群の多様性を増加させるが,パレート最適解への収束性を悪化させる.そのため,進化型多目的最適化アルゴリズムの性能を大きく改善することはできなかった.重複解の取り扱い方法として,目的関数空間内で重複する個体に異なるパレートランクを割り当てる方法の実装も行ったが,効果は限定的であった. そこで,進化型多目的最適化アルゴリズムの探索性能を大きく改善するために,加重和最適化手法などのスカラー化手法とのハイブリッドアルゴリズムを提案した.具体的には,スカラー適応度関数を親個体の選択および世代更新に確率的に使用するというアイディアをNSGA-IIの枠組みで実装した.種々の多目的組合せ最適化問題に対する数値実験により,スカラー適応度関数の確率的な使用がNSGA-IIの探索性能を劇的に改善することを明らかにした. また,個体群の空間的な配置の影響を調査するための基礎研究として,ジレンマゲームの戦略進化に関する研究を行い,個体間での相互作用が行われる近傍が小さい場合に協調戦略の進化が促進されることを明らかにした.さらに,進化型多目的最適化のファジィ遺伝的機械学習への応用も行った.
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Research Products
(4 results)