2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起膜と細胞外電場の相互作用による神経情報処理の実験的解明と数理モデル構築
Project/Area Number |
17300096
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (90166124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅司 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30339098)
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Keywords | 細胞外電場 / 樹状突起 / 電位イメージング / 数理モデル / シュミレーション |
Research Abstract |
平成18年度の研究計画は交流電場刺激に対する膜電位応答を解析することであった。 1)実験的研究として海馬CA1領域の錐体細胞樹状突起の走行に平行及び垂直に交流電場を負荷し、膜電位感受性色素を用いて膜電位変化を光学的観察した。その結果、樹状突起先端部において、膜電位変動の振幅が4-10Hzにおいて最大となる周波数選好性を発見した。さらに、ホールセル記録法によって単一錐体細胞の細胞体および樹状突起から記録した電位変化と比較した。その結果、光学的に観察した膜電位変化が、錐体細胞の電位変化に起因するものであることを確認することができた。コンピュータシミュレーションにより、この性質が、樹状突起先端部の低膜抵抗部の存在のみによって解釈可能であることを見出した(論文投稿準備中)。 2)直流電場刺激に対する膜電位応答に電位依存性イオンチャネルが関与しているか否かを検討するため、種々のイオンチャネルに対するプロッカーの作用を高速電位イメージング法を用いて解析した。その結果、Ihチャネルをブロックしても顕著な影響が見られないこと、電位依存性Kチャネルを広汎にブロックすると電位の時間経過が遅くなり、振幅が増大することを見出した。これらの結果は受動的なコンダクタンスによって樹状突起先端部の抵抗が低くなっているというこれまでの作業仮説を指示するものである(論文投稿準備中)。 3)電位依存性イオンチャネルの分布に関する知見を得るために、従来よりも強度の高い電場に対する電位変動を検討した。その結果、膜の能動的特性に起因すると考えられる数種類の電位応答を見出した。
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Research Products
(1 results)