2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起膜と細胞外電場の相互作用による神経情報処理の実験的解明と数理モデル構築
Project/Area Number |
17300096
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (90166124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅司 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30339098)
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Keywords | 細胞外電場 / 電位イメージング / 電位非依存性イオンチャネル / EPSP / 数理モデル / ケーブル方程式 / シミュレーション |
Research Abstract |
海馬スライス標本に細胞外電場を負荷した際の電位応答を高速膜電位イメージング法を用いて解析する実験的研究と、実験結果の解釈のための数理モデル構築を行った。1)細胞外電場に対する閾値下応答の特性を決定している要因の一つは膜電位非依存性イオンチャネルの密度分布だと考えられる。リークチャネル、TRPチャネル、CNGチャネルを候補として、いずれのチャネルが閾値下応答の特性に寄与しているかを検討した。その結果、温度変化によって閾値が顕著に変化することを見出した。この結果はTRPチャネルの亜種の関与を示唆している。2)高速膜電位イメージング法を用いて、シナプス電位の振幅と樹状突起内伝播に対する細胞外電場の影響を検討した。その結果、興奮性シナプス後電位については顕著な影響が観察されなかったが、GABA_A受容体を介する抑制性シナプス後電位の振幅は有意な影響を受けることが判明した。3)コンパートメントモデルを用いてシナプス電位の振幅と樹状突起内伝播に対する細胞外電場の影響を検討したところ、樹状突起内伝播は電場の影響を受けないが、樹状突起先端部への興奮性シナプス入力によって誘起されるシナプス後電位の大きさは電場の影響を受けうることがわかった。膜電位自体への影響とシナプス後電位に対する影響の双方の結果として、シナプス入力に対する出力が電場によって多く影響されうることがわかった。4)細胞外電場中に置かれたケーブルに対するケーブル方程式の解を、グリーン関数法を用いて求めた。直流電場に対する数値解は実験結果を定性的に再現した。
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Research Products
(4 results)