2005 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナルを活性化する新規DIX蛋白Ccd1の神経回路形成における役割の解析
Project/Area Number |
17300098
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桝 正幸 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20243032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝 和子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
塩見 健輔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助手 (00311598)
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Keywords | 脳神経学 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 遺伝子 / 神経科学 |
Research Abstract |
Wntシグナルは、発生期の体軸形成や分化・誘導の中心的なシグナルであり、神経系でも、分化、軸索ガイダンス、シナプス形成において重要な役割を担っている。Wntの情報伝達にDishevelled (Dvl)とAxinが必須であることが示されているが、下流の情報伝達経路やその調節機構については不明な点が多い。我々は、最近、DvlとAxinで保存されたDIXドメインを持つ第三の分子としてCcd1 (Coiled-coil-DIX1)を単離し、Ccd1がin vitro及びin vivoでWntシグナルを活性化すること、ゼブラフイッシュ胚で神経パターン形成に重要な役割を持つことを報告した。更に、マウスの相同遺伝子を単離し、アクチン結合蛋白質で見られるcalponin homology (CH)ドメインを有する新しいサブタイプ(Ccd1A)が存在することを見出した。本研究では、マウスCcd1蛋白と相互作用する蛋白を解析するとともに、Ccd1サブタイプの発現パターンとその細胞内局在や役割を調べ、Ccd1のWntシグナル伝達における役割を明らかにすることを目指している。 In situハイブリダイゼーションとノーザンブロットを用いてCcd1サブタイプの発現を調べた所、Ccd1Aは胎児、脳、精巣に多く、Ccd1Bは脳、肺などに多かった。また、培養細胞にcDNAをトランスフェクションし、発現した蛋白を免疫染色法によって調べた結果、Ccd1AとCcd1Bが細胞内で異なる局在を示すことが明らかになった。Ccd1Aサブタイプは、アクチン結合蛋白に見られるCHドメインを持ち、細胞内でアクチン繊維と共局在することが観察されたので、今後アクチン蛋白との直接的な相互作用を検討する必要がある。 また、ゼブラフィッシュからCcd1と高い相同性を示すCcd2遺伝子を単離した。Ccd2遺伝子には、転写開始部位の違うアイソフォームが存在し、マウスと同じCHドメインを持つAタイプが存在することが明らかになった。Ccd2のドミナントネガティブ型をゼブラフィッシュ胚に過剰発現させた場合にも、Ccd1を過剰発現させた時と同様の変化が認められたことから、Ccd2もWntシグナルの制御に関わると考えられる。
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Research Products
(7 results)