2007 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体のシナプズへの移行と活性調飾機序
Project/Area Number |
17300099
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎村 建司 Niigata University, 脳研究所, 教授 (40162325)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 学 新潟大学, 脳研究所, 助教 (10334674)
山崎 真弥 新潟大学, 脳研究所, 助教 (70401768)
|
Keywords | コンディショナルノックアウト / グルタミン酸受容体 / AMPA受容体 / シナプス / TARPγ / C57BL / 6 |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体チャネルは、興奮性のシナプス伝達を担うばかりでなく、シナプスの可塑性の鍵を握る分子群である。本研究の目的は、グルタミン酸受容体のシナプスへの移行と活性調節の分子機序を明らかにすることである。この目的のために、4種類のAMPA型グルタミン酸受容体サブユニットと、AMPA型グルタミン酸受容体を細胞膜やシナプス肥厚部分に集積させる分子として報告されているTARPγ2に相同性のある分子群のうち、脳に発現が高いγ2、γ3、γ4、γ5、γ7をそれぞれコンディショナルに欠損できるマウスを系統的に作成した。これらのマウスの解析から、γ7はAMPA型受容体のシナプスへの移行と安定性に必須な分子であることが明らかになり、AMPA型受容体の補助サブユニットとして機能していることが明らかになった。また、終脳に広く発現し、特に海馬興奮性ニューロンに発現の高いTARPγ-8を欠損したマウスは、AMPA型受容体の活性低下と共に多動と抗不安傾向が認められたので、幾つかの薬剤の影響を検討した。その結果、このマウスは注意欠陥・多動性障害(AD/HD)のモデルになることが明らかになった。一方AMPA型グルタミン酸受容体GluRα1ノックアウトマウスでは、多動と抗不安の表現型は軽微であることから、AD/HDの原因は脳全体でのAMPA型受容体の活性低下ではなく、特定の部位での活性低下であることが示唆された。その責任部位の同定は、AD/HDの病態理解と治療法開発につながる今後に残された課題である。
|
Research Products
(24 results)